織田信長「桶狭間」で奇跡の大逆転を果たした訳 「時と場合によって」のワンマンプレーが光った
今川軍「あ、晴れた。いやーとんでもない雨だっ……え、敵!?」
となった今川軍は大慌て。
数の少ねー織田軍がいきなり攻撃してくるなんて、思いもよらない雨上がりの突進。
対応しきれません。
信長「敵の首は取るなぁ!! 狙うは今川義元の首、ただ1つ!!!!」
ターゲットは、今川義元のみ。
優先すべきは、個人の手柄より織田軍としての勝利。
今川軍は2万以上とお伝えしましたが、それはぜーんぶの部隊をあわせた人数です。
このとき信長が戦いを挑んだのは、今川義元本隊の3000~5000。
5000 vs. 2000ならもしかして……
信長「かかれぇ!! かかれぇぇぇ!!」
信長みずからが先頭に立ったために、織田軍のモチベーションは高く、その勢いに押された今川軍は次第に後退。
先頭部隊が崩れ、後ろになだれ込むと、義元の乗った塗輿(ぬりごし。おみこしを想像して)を捨てて逃走する者まで現れます。
信長「義元はすぐそこだぁぁ!! かかれぇぇぇ!!」
織田軍の猛攻は止まりません。
度重なる突撃に、300はいた義元の旗本(親衛隊)も、50にまでその数を減らします。
信長は先頭に立って戦った
両者鬼気迫る熱戦、乱戦、超接近戦の中、織田軍トップの信長は
信長「ウラァァァァ!!」
なんと馬を降りて、家臣と先を争うように敵をぶっ倒していくんです。
その勇ましさに、興奮する若い家臣たち。
自分たちも信長に続けと、持てる力のすべてを敵にぶつけます。
汗と鮮血をほとばしらせ、何人もの死傷者を出しながら、“ターゲット”に肉薄する織田の軍勢。
狙うは今川義元の首、ただ1つ──。
そしてついに、
グサッ!!
信長家臣・服部一忠が、今川義元にやりの一撃をくわえます。
が、しかし、義元の反撃をひざに受け、倒れこむ服部。
結果から見ると、この一太刀が、義元最期のアクションでした。
次に迫った毛利良勝(信長家臣)に、
ザッッ!!!!
斬りつけられ、倒れ伏し、今川義元はその首を取られたのでした。
総大将がやられた今川軍は、その場から逃走。
興奮さめやらぬ信長と織田軍は、
信長「えい!!! えい!!!」
織田軍「オオオオォォォーーーー!!」
その熱狂を勝鬨(かちどき)に変え、桶狭間の地にぶつけます。
圧倒的不利をくつがえした織田信長。
世紀の大大大勝利を手にしたのでした。
はい、これが現在明らかになっている「桶狭間の戦い」のザックリとした流れです。
義元は上洛(京都に行くこと)なんてしようとしてなかったし、スタンバイしたのは低地じゃなくて山だし、信長は奇襲じゃなくて正面突破……。最近の桶狭間は、こんな話になってるんですね。