森山裕「菅首相の特長は辛抱強く進めることだ」

自民党国対委員長が明かした新政権誕生の裏側

塩田:菅さんは安倍さんの異変に気づいていたのでしょうか。

森山:辞任は予想されていなかったみたいです。8月28日、閣議が終わって、党本部で、初めてお聞きになったのではないでしょうか。

塩田:総裁選では、党内の多数が菅支持に回りました。なぜこういう流れに。

森山:菅総理の同期生の議員の人たちは本当に仲がいいですね。

塩田:菅首相は現在の小選挙区・比例代表並立制が初めて実施された1996年の衆院選が初当選です。この1996年総選挙で一緒に初当選した同期組ですね。

森山:そうです。お互いに助け合ってやっている。ほかの同期生にはあまりない文化ではないかと思います。各派閥にいる菅さんの同期生の人たちの思いが1つになり、各派の会長に影響を与えたのが大きかったと思いますね。菅さんは自民党で無所属・無派閥ですが、同じ無派閥で菅さんを慕っている人たちもかなりの数、おられます。それが短い時間でまとまった。

塩田:「菅擁立の仕掛人は森山国対委員長」という見方もあります。自民党の中で、森山さんが菅擁立で動き、流れを作ったのでは。

森山:いえいえ、それはまったくないです。国対委員長としていろいろな会議に陪席したのは事実ですが、私にはそんな力はありません。

菅首相は「日本の地方をよく理解している」

塩田:森山さんは鹿児島県生まれで、地元の夜間高校を卒業し、鹿児島でビジネスに成功して、鹿児島市議7期(議長を5期)、参議院議員を経て衆議院議員となりました。一方、菅首相は秋田県で生まれ、高校卒業後に単身で上京し、働きながら大学を出た後、衆議院議員秘書、横浜市議、衆議院議員という歩みです。地方出身で、たたき上げ人生を歩んだ非世襲政治家という点が共通していますが、菅首相を政治家としてどう評価していますか。

森山:私は国対委員長4年目ですが、官房長官として、すべてのことで安倍総理に忠誠を誓っておられる姿をずっと見てきて、政治家として大成される方だなと思っていました。

塩田:菅さんと何かの場面で一緒に仕事をした経験は。

森山:それは特別ありませんでした。ただ、同じ地方議会の出身です。そういう意味で、総務大臣としてふるさと納税制度などで頑張っていただいた。本当に日本の地方をよく理解しておられます。高校まで秋田の田舎で過ごしたことが今の菅総理の人間形成に非常にプラスになっていると思います。生きてきた地域、そこで吸った空気が人間を形成していく。同じく地方で生まれ、育ちましたから、よくわかるような気がします。私もそれぞれの地方の発展は非常に大事だと思っています。

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