残業が年963時間!?官僚の過酷すぎる労働実態 サービス残業が横行し、学生も敬遠
菅義偉内閣が発足してから初の国会論戦の場となる第203臨時国会が10月26日から始まる。国会会期中は、ただでさえ長い官僚の労働時間・拘束時間がさらに増えがちで、健康リスクが高くなる。
残業代が適切に払われていれば、まだ救いがあるかもしれない。だが、実際には満額が支給されるとは限らないようだ。しかも、省庁や部署によっても、認められる時間が違う「格差」があるという。
「強制労働省」と揶揄されることもある厚労省に約10年勤め、数年前に転職を果たした元官僚の男性は語る。
「労働時間管理もザルな部署でしたが、だいたい9時半から翌4時半ぐらいまでは職場にいました。タクシーで帰って、2~3時間寝てからまた出勤です」
月200時間近くの残業が切り捨てられる
しかし、これだけ働いても月給はあまり変わらなかったという。月200時間近くの残業が切り捨てられ、サービス残業になっていたからだ。こうした実態は広く知られており、近年の「学生の官僚離れ」の原因にもなっている。
人事院が発表している超過勤務の年間総時間数は、本府省で356時間(2018年/いわゆるノンキャリアを含む)。平均すると月30時間程度ということになる。
一方でたとえば、「官僚の働き方改革を求める国民の会」が2019年に発表した現役・元官僚約1000人へのアンケートでは、平均残業時間が年963時間にのぼるなど、民間の調査とは乖離がある。
どうしてこのようなことが起こるのか。