残業が年963時間!?官僚の過酷すぎる労働実態 サービス残業が横行し、学生も敬遠
2019年に働き方改革法が施行され、民間では残業規制が順次始まっている。
これにより、官僚の世界でも原則年360時間、最長720時間の上限規制ができた(人事院規則15-14、第16条の2の2)。ただし、民間と違って、緊急対応のために上限を超えることも許されている。
「運用状況は各省庁にヒアリングしています。罰則はありませんが、上限を超えた場合は、各省庁が要因を整理・分析をして説明しなくてはならなくなりました」(人事院担当者)
この仕組みでの各省庁による人事院への報告は今年が初めてとなる。「世間の関心は高いと認識しています」と担当者は話す。
こうした取り組みによって、省庁によっては変化が生まれているところもあるようだ。
重要なのは正確な時間把握
前出の2人とは別の省庁で働く現役官僚は、「電子勤務簿が導入され、残業代も今のところ全額出るようになりました」と話す。
上司も積極的にマネジメントをするようになり、残業時間自体も減少傾向にあるという。
とはいえ、労働環境を改善するうえで重要なのは、正確な時間把握だ。
残業代ベースで出している現状の“超勤時間”は、行政がコンプライアンスを守っているという体裁を整えるため、問題の存在を認識しながら、見て見ぬふりをした産物といえる。
「霞が関のホワイト化」を目指す、行政改革大臣と兼務の河野太郎国家公務員制度担当大臣は、全府省庁を対象に10月と11月の“在庁時間”を調査するよう指示したという。
ただし、編集部が9月に尋ねた時点では、総務省のように在庁時間まで記録を残していると回答した省庁もあれば、「人事当局において、記録をとっておりません」(文科省)と回答した省庁もあった。
実態に則した時間が報告されるのか、という懸念も残る。
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