日本のコロナ対策がどうも心配すぎる根本理由 検査体制が弱いまま海外渡航再開していいのか

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2019~20年のシーズンは、インフルエンザは流行しておらず、現在、日本国民の免疫は低下している可能性が高い。今シーズン、日本でインフルエンザが流行してもまったくおかしくはない。

状況は、コロナも同じだ。海外渡航を再開すれば、日本より感染者が多い欧米からも渡航者が入ってくる。空港などの水際でPCR検査体制を強化しても、一部の感染者は見落とされるだろう。いったん、国内に入れば、無症状者は検査されない。そして、彼らは日本を忙しく往来する。感染は容易に拡大しかねない。これが、日本が海外渡航を再開した後に、予想されるバッドシナリオだ。こうなると、東京五輪の開催に暗雲が立ち込める。

日本は新型コロナの蔓延国と見られている

実は、問題はこれだけではない。海外が抱く日本のイメージは、われわれの抱いているイメージとはまったく違う。東アジアに限っては、日本はもっとも人口当たりの死亡者が多い国だ。経済的ダメージも最も大きかった。

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私は、ナビタスクリニック新宿で内科の診療を行っている。このクリニックは、多くのアジアからの留学生が受診する。彼らには「親御さんは心配しないか」と聞くことにしている。多くの留学生は「親からは『日本はコロナが流行して危ないから、国に戻っておいで』と言われています」と答える。本人たちは「日本に住んでいると、危険は感じないですけどね」と言うが、これがアジアから見た日本のイメージだ。

つまり、蔓延国と見なされている。この状況で、コロナが流行する欧米と国交を再開すれば、彼らがどう感じるかは言うまでもないだろう。

この評価を変えるには、実際に流行を抑えることと、そのことをデータとして示すことだ。これこそ、中国が青島でやったことだ。中国は2022年に冬季五輪を控えている。青島での大量検査は、このことを念頭においているだろう。菅首相の所信表明では、海外からの信頼を得るのは難しい。日本が本当に東京五輪を開催したければ、これまでのやり方がそのまま通用するとは思えない。

上 昌広 医療ガバナンス研究所理事長

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かみ まさひろ / Masahiro Kami

1993年東京大学医学部卒。1999年同大学院修了。医学博士。虎の門病院、国立がんセンターにて造血器悪性腫瘍の臨床および研究に従事。2005年より東京大学医科学研究所探索医療ヒューマンネットワークシステム(現・先端医療社会コミュニケーションシステム)を主宰し医療ガバナンスを研究。 2016年より特定非営利活動法人・医療ガバナンス研究所理事長。

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