日本のコロナ対策がどうも心配すぎる根本理由 検査体制が弱いまま海外渡航再開していいのか

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実は、この状況は未だに改善されていない。検査能力の目標は1日20万件にすぎない。第1波において、保健所は、感染者と濃厚接触者の検査だけでパンクしたのだから、保健所中心の現行体制で、大量の無症状者を検査することは不可能だ。厚労省は、この問題について真摯に対応せず、ことさらPCR検査の問題点を強調し、検査数を抑制してきた。所信表明演説を聞く限り、菅首相も方針を転換するつもりはなさそうだ。

私は、このままでは日本の医療体制が崩壊するのは、時間の問題と考えている。きっかけは国際交流の再開だ。日本は来夏の東京五輪の開催を目指している。それまでには、海外渡航を通常化しなければならない。政府は、11月中には、日本と経済的関係が深い30カ国・地域からのビジネス渡航者を対象に、72時間以内の短期滞在を解禁する予定だ。

海外との交流は、必然的にウイルスの流入を招く。まず、問題となるのはインフルエンザだろう。10月4日、毎日新聞は「インフル患者、激減 日本、前年4543人→7人 南半球、WHO『流行なし』 コロナ対策奏功か」という記事を掲載し、濱田篤郎・東京医科大学教授の「手洗いの徹底やマスクの着用といった新型コロナ対策がインフルエンザ予防にも効果的だった可能性がある」とのコメントを掲載している。ほかのメディアにも、同様の論調で報じる所が多い。

インフル感染が少ない理由はほかにもある

確かに、そのような要素も影響したかもしれないが、インフルエンザ感染者が少ないのは、海外渡航の禁止が最も影響しているだろう。注目すべきは、2001年の9.11のテロ事件の年にアメリカではインフルエンザが流行しなかったことだ。

この時、アメリカ国民はマスクも手洗いもしていない。ハーバード大学の研究者は、1996~2005年までのアメリカでのインフルエンザの流行状況を調べ、航空機を利用した長距離移動が最も影響すると結論している。

今年の海外渡航者の減少は、9.11事件当時とは比べものにならない。もし、海外渡航者の減少の影響が大きいのなら、海外渡航を再開すれば、いくら手洗いやマスクをしても、インフルエンザは流行するだろう。インフルエンザは熱帯や亜熱帯は年中流行している。日本と交流が多い東南アジアは、そのような地域に位置する。

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