大不況生き残りに向け今こそ取りたい本命資格 「G検定」が受験者2倍とにわかに人気化した訳

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G検定はディープラーニングを理解し、それをビジネスに活用してさまざまな課題を解決できる知識を身につけたゼネラリストの育成を目的とした試験です。こうした試験の特質から近年の受験者層は、エンジニアよりもビジネスサイドで最新技術に鋭いアンテナを張っている社会人が大きなボリュームを占めています(業界としてはITやソフトウェア企業、製造業の方が多いようです)。

私自身も実はG検定が始まった初期に挑戦し、四苦八苦して勉強しながら、なんとか合格しました。理系向けの試験ではないとはいえ、背後には難解な数式が横たわっている分野ですので、理解するのは容易ではありませんでした。また、私が勉強したときには公式テキストや問題集なども世の中になかったので、その意味でも学習するのに苦労しました。

今は試験実施団体が公式テキストを出していたりしますので、私が挑戦した頃よりは勉強しやすくなっていると思います。それでも文系の方には理解しにくい部分も相当あるはず。しかし、この試験は苦労して勉強する甲斐のある試験です。ビジネスで非常に役立つのです。

「AIなら何でもできるだろう」という誤解

私自身、AIの学習をする前には、「AIなら何でもできるだろう」というような誤った思い込みに基づいてビジネスを考えがちだったのですが、今のAIにできることとできないことをある程度理解できたことで、ビジネスのドタ勘が働くようになりました。

例えば、過去問を分析して今年の問題を予測する「未来問」というAI予想模試を開発したのですが、その際には、AIのどの技術をどうやって使っていけばよいのか、という何となくの感覚が身についていたので、勉強しておいてよかったと感じています。

私は、あまりにこのG検定に感動したので、私が運営している会社ではマネジャークラス以上の者にG検定合格を義務付けることにしました。もちろん勉強や受験補助も同時に行っており、積極的に社員へ取得を推奨しています。

コロナ禍にあって、自宅にいることが増えた今だからこそ、スキルアップのチャンスです。G検定はとても実用的な資格ですので、皆さんも次回の試験を目指してみてはいかがでしょうか。

鬼頭 政人 資格スクエア創業者、弁護士

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きとう まさと / Masato Kito

1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類(法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、22013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する「資格スクエア」を創業、その後、ワンストップ電子契約サービス「NINJA SIGN」(後にfreeeサインと名称変更)も創業。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』など。

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