大不況生き残りに向け今こそ取りたい本命資格 「G検定」が受験者2倍とにわかに人気化した訳

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AIやディープラーニングについての知識を問われるG検定ですが、「そもそもディープラーニングとは?」と思う方がほとんどかと思いますので簡単に説明させていただきます。ディープラーニングとは機械学習の1つで、ニューラルネットワークという人間の脳の神経細胞の仕組みを人工的に模したものを用いた技術です。人間が指示せずともAI自身がデータに含まれる「特徴量」を自動的に分析して学習していきます。

例えば、私たち人間は人とゴリラの画像を目にしたときに、過去の経験からどちらが人でどちらがゴリラか正確に判別することができます。大量の人とゴリラの画像を事前に学習させることで、ある画像が人なのかゴリラなのかを非常に高い精度で判別できるようになる──という技術がディープラーニングです。従来の機械学習でも判別はできたわけですが、その精度がこの技術を用いることで上がるのです。

G検定人気の背景

前述のとおり、すでに直近の試験の受験者数は12,000人を超え、そのひとつ前の会の受験者数が6,000人超であったことを考えると、人気が加速しているといえます。この理由について、大きく3つあると思っています。

まず1つ目は、当然のことながら、AIの台頭によるニーズの向上です。AIという言葉が知られるようになってしばらく経ちますが、将来AIに奪われる職業についてはつねに人々の関心が向くくらい、社会の関心は高まる一方です。AIの中でもとくに注目されているディープラーニングの知識を身につけて、将来に備えようと考える人が増えるのも自然なことでしょう。

2つ目の理由は、G検定を主催する日本ディープラーニング協会を立ち上げた東京大学の松尾先生が持つ、圧倒的なブランド力です。松尾先生はAI研究において、ディープラーニングの普及や産業活用に貢献した第一人者で、世界でもトップクラスの権威です。松尾先生によるこのブランド力も、人々をひきつける大きな理由でしょう。

そして3つ目の理由はずばり“コロナ禍”です。今年の3月頃から爆発的に流行した新型コロナウイルスの影響で、外出を自粛し自宅にいる時間が長くなった人が大勢います。「家にいる時間をどう過ごすか」を考えたときに、時間に余裕がある今だからこそ資格を取ろうと思った方も多いことでしょう。

G検定は将来性のある資格と言われており、何か資格を取ろうと思い立ったときに選択肢に入ることは自然なことです。しかも、G検定は、オンラインで受験するテストですので、受験するハードルが低いことも人気となっている要因の1つでしょう。

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