中田敦彦がテレビ→YouTubeへ舞台を移した訳 失敗を重ねたって挑戦続ければ最後には勝てる

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――ほかのSNSを利用する選択肢はありましたか。

候補には上がりました。

YouTubeもすぐバズったわけではなく、何度も何度も失敗しています。

「YouYubeで何度も何度も失敗しています」と話してくれた中田氏

もともと『PERFECT HUMAN』のミュージックビデオ(MV)をアップロードして再生回数を上げ、それを人気の証明としてテレビに出演しようと企てていました。

結果7000万回再生されて話題作りには成功しましたが、フィッシャーズや、はじめしゃちょーといったイキのいいYouTuberたちは、たった3カ月間で同じ再生回数を稼ぐんです。

それを知ったときに、『PERFECT HUMAN』と同じクオリティーの楽曲を3カ月ごとに作り出していくのは厳しい、と感じましたね。

僕が集大成で出した「元気玉」さえ、彼らはあっという間に凌駕していく。

もうそういう生命体が現れている時代なのだな、と実感して。

この出来事は僕にとってすごくスリリングで、このままでは彼らに駆逐されると思いました。

そこで、RADIO FISHのメンバーでバラエティーに似た企画をYouTubeで配信してみたんです。でも、これもまったくうまくいかない。

「もう俺、1人でやる」と躍起になってスマホ1台を部屋に置き、毎日アップロードしてみたけれど登録者数は1万人止まり。

ほかのSNSも試しましたが、InstagramのライブやLINEライブは若者向けでした。鳴かず飛ばずのチャンネルを潰したり、配信するメディアを替えたりしながら、一時はもう本気で「ダメかな」と思って。

でも、カジサックさんのYouTubeを見て、「自分は本気度が足りない」「コンテンツが精査できていなかった」と思い直したんです。

“二番目に手を挙げる”ことの重要性

――芸能人YouTuberとして動き出すまで、どのような経緯がありましたか。

カジサックさんが、2018年末の段階で「登録者が100万人に到達しなければ芸人を辞める」という発信を続けていました。

世間は冷たい目で見ていましたし、僕自身も「その数値に達している芸能人は1人もいないし、この目標は厳しいだろう」と思っていました。

だけど、登録者数が70万人を到達したあたりから風向きは大きく変わりました。

さらにその頃、僕がラジオの収録中、カジサックさんに関して放ったひと言が誤解を生んでしまい、本人を怒らせてしまう出来事がありました。

関係がもつれて電話をもらうと、「俺の動画に出て、仲直りせえへん?」と、ご本人から提案をもらいました。

そこで、実際に現場に行くと、カジサックさんのYouTubeの撮影は驚くほど刺激的でした。

1つの動画を作るのに莫大なるコストかけて、タレント自ら時間や人員を費やして真剣に撮影している――そのとき、「これは間違いなく100万人を突破する」と予感しました。

彼に「中田は教育系YouTubeやったら、ええんちゃう?」と言ってもらえたことで、有無を言わずにやろうと決めましたね。

次ページ『中田敦彦のYouTube大学』がヒットした要因はどこに?
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