中田敦彦がテレビ→YouTubeへ舞台を移した訳 失敗を重ねたって挑戦続ければ最後には勝てる
――自身のヒットの要因はどこにあると思いますか。
僕は、イノベーター理論(新しい製品やサービスへの市場への普及率を5つのグループに分けて表したマーケティング理論)でいうと、アーリーアダプターなんです。最初にサービスを採用するイノベーターよりもリターンは下がるけれど、リスクも下がる「二番目に手を挙げるタイプ」だと自覚しています。
イノベータータイプの人は前例がなくても始められるけれど、僕はヒットの前例を見てから細かく分析するし、実験と検証をしながら、PDCA(Plan-Do-Check-Act Cycle)を回していく。だからこそ、YouTubeにも1つの成功前例がほしいと思っていたんです。
そんなとき、カジサックさんが実際に動き出して反響があったので、僕も動き出しました。
それがヒットにつながったと思います。
カジサックさんは、ある意味「芸能人YouTuber」のイノベーター的な存在ですね。
皆、失敗を恐れすぎている
――安定した芸人人生を捨て、未知なる挑戦をすることに恐怖はありましたか。
周囲からも日々、「思い切った行動ができるのはなぜ?」とか「失敗したらどうするの?」と聞かれます(笑)。正直、この質問がいちばん多いくらい。
RADIO FISHを結成して音楽を始めたときも、「お笑い芸人が音楽をやるの?」と多くの人に言われました。
でも、基本的に僕は「うまくいかないことが大前提」だと思っているんです。うまくいかないという世界観は、「1トライ、1ミス」の概念。それって、チャンスが「1回限りである」と信じ込んでいるからこそ、不安に感じている状態なんですよね。
僕は1トライしたら、1データが取れると思い、失敗してもすぐ2回目の挑戦に続きます。
2トライ、3ミス、3データ……。そうやって続けていくと最後には勝てるんじゃないかと。
それが正しいかどうかはわからないし、成功しない企画もザラにあります。でも、もしもハズレたら検証したうえで、またしゃにむに新しい試みをすればいいだけじゃないですか。
それを徹底的に繰り返せば、行為自体がデータになるので、まったく怖くないですね。
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