グーグル検索は「独占」、米国政府が暴いた全容

アップルに年間1兆円支払い、検索シェア拡大

グーグルは、アンドロイドスマホを扱う端末メーカーや通信キャリアとの3つの協定を結んだ。司法省はこれらを「排他的な協定」と呼んでいる。

1つ目が「反フラグメンテーション協定(AFA:Anti-Fragmentation Agreement)」だ。これはグーグルが定める技術やデザインの規格に準じない、「フォーク(分岐)」されたアンドロイド端末の開発・製造を制限するもの。オープンソースであるアンドロイドは、本来的にはさまざまなバージョンのものが開発される(この現象を「フラグメンテーション」と呼ぶ)可能性があるが、グーグルはアプリ開発者が膨大なバージョンに対応するのは現実的ではないとしてこの協定を求めた。

アップルに年間1兆円を支払っていた

2つ目が「モバイルアプリ流通協定(MADA:Mobile Application Distribution Agreement)」である。グーグルの一連のアプリをプリインストールしたうえで、検索アプリやブラウザーなどを削除できないようにし、検索バーをホーム画面に置くことへの同意を求めた。

このMADAと前出のAFAに同意しなければ、グーグルのアプリ(マップ、ユーチューブ、グーグルプレイなど)やOSの機能が使えない。つまりグーグルのアプリを搭載したいスマホメーカーは、これに同意せざるをえない。特にアプリストアの「グーグルプレイ」がなければ、ユーザーがアプリを簡単に探したりダウンロードしたりできなくなってしまう。

そして3つ目が「レベニューシェア協定(RSA:Revenue Sharing Agreement)」だ。上記2つへの同意を条件に、アンドロイド端末のメーカーや通信キャリアに検索広告収入を分配するというもの。それ以外にもアップルなど競合ブラウザーの開発会社も、デスクトップ版とモバイル版の両方でグーグル検索をデフォルトにすることを条件に、分配対象にした。

特にアップルへの収益分配は巨額だった。司法省の訴状によれば、毎年80億~120億ドル(8300億円~1兆2500億円)を支払っているという。同じく訴状では「サファリ(アップルのブラウザー)でのデフォルト設定は重要な収入源だ」と述べているグーグルの内部文書を引用。グーグルは2019年の検索件数のうち約半分はアップルの端末からだったと試算している。

アップルのティム・クックCEOとグーグルのスンダー・ピチャイCEOが2018年に面会した後には、アップルの幹部がグーグル社員に対し、「われわれのビジョンは、両社が1つの会社のように仕事をすることだ」というメールを送ったという。さまざまなサービスで競合する両社だが、こと検索では一蓮托生だったようだ。

司法省は訴状で「グーグルは広告主から搾り取った“独占地代”をアップルに支払っていた」としたうえで、「巨額の複数年契約によって、グーグル検索の競合が、重要な検索サービスの流通網から実質的に排除された」と断じた。

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