グーグル検索は「独占」、米国政府が暴いた全容

アップルに年間1兆円支払い、検索シェア拡大

2018年7月に欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会はグーグルに、アンドロイドに関する端末メーカーとの契約などでEU競争法(独禁法)に違反したとして、43.4億ユーロ(約5700億円)の制裁金を課した。このときもグーグル側は今回と同様の反論を展開している。

当時と今回とで異なるのが、アップルとの関係だ。欧州委はこれに言及せず、スマホメーカーとの排他的協定を指摘するのみだった。グーグルは不服として現在も裁判で争っているが、欧州委の決定を受けて2019年、欧州域内でアンドロイドを搭載したスマホの初期設定時に検索サービスを選択できるようにして競合企業の参入余地を広げた。とはいえ、これが競争を促進することになるかは未知数だ。

日本にも同様の動きが広がるか

これまでグーグルに対する批判の急先鋒は欧州委だった。アメリカでは2010年代前半に連邦取引委員会(FTC)の調査を受けたが、提訴には至らなかった。だが2018年のSNS大手フェイスブックが起こした個人情報の大量漏洩問題以降、アメリカ国内でもIT大手に対する風当たりが強まった。

特に今年に入ってからは7月にアメリカ議会の下院司法委員会がグーグルのほか、アップル、フェイスブック、アマゾンの各CEOを公聴会に招集し、市場の独占の疑いについて厳しく追及した。10月に入ってからは同委員会が4社に事業の分割なども含めた規制強化を提言する報告書をまとめた。今回の提訴も大統領選挙を控えて急いだとの現地報道もある。

この動きは日本にも広がるのだろうか。独禁法に詳しい池田・染谷法律事務所の池田毅弁護士は、「そもそもグーグルの行為が違法だったかという点には疑問がある。司法省が指摘した行為があったから独占になったのか、因果関係は不明瞭。アメリカで何も裁定が出ていない以上、日本の当局が同じストーリーで動くことは考えにくい」と話す。

マイクロソフトで20年前にアメリカ政府との訴訟合戦を経験した現最高法務責任者のブラッド・スミス氏は2018年の東洋経済とのインタビューで、「世界を変えるほどのことを成し遂げると、世間は規制をかけようとする。われわれの間違いは、そうした世間の感覚に抵抗したことにある。謙虚さはとても重要。テクノロジーの社会へのインパクトは20年前と比べものにならない。もはや業界全体で取り組むべき問題だ」と述べていた。

裁判で争われるのはまさにこれからだ。マイクロソフトは12年という時間を訴訟に費やしている間にパソコンからスマートフォンへの変化の波に乗り遅れた。グーグルも訴訟にそれだけの労力を割くことになるのか。長い戦いは始まったばかりだ。

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