5G対応「iPhone 12」は形も大きさも超絶進化 最も小さく薄くて軽い「iPhone 12 mini」が登場
幅64.2mm、長さ131.5mmというサイズは、4.7インチのiPhone SE(iPhone 6〜8と同じサイズ)よりもコンパクトに仕上がっている。にもかかわらず、5.4インチへと画面サイズを拡大させており、「アップルマジック」ともいえるデザイン性を実現した。
A14 Bionicチップ、2つのカメラ、強化されたセラミックシールドなど、6.1インチのiPhone 12の機能をすべて備える製品となる。アップルによると、5Gに対応する最も小さく、薄く、軽いスマートフォンだという。
この製品でアップルは、若年層のターゲットを狙っていくことになる。かろうじてミドルレンジに属する価格帯と、小さな手に馴染むサイズ、ハイエンドスマートフォンのフル機能を備えた製品は、2020年にApple Watch SEやiPad Airで取り組んできたミドルレンジ製品の充実と付加価値向上とも合致する。
iPhone 12 miniは、アメリカ最大手の携帯キャリア「Verizon」のキャンペーンで月額12ドルで利用できる。これには、若い層に5Gを含む最新テクノロジーを提供し、iPhoneプラットフォームに呼び込むだけでなく、同価格帯の競合製品との差を手に取っても体験してもらいiPhoneから離れられなくするマーケティング上の戦略も見える。
携帯キャリアからすれば、端末が普及しなければ始まらない5G戦略の起爆剤として、iPhoneの5G対応を活用したいはずで、最も価格が安く設定されるiPhone 12 miniの存在は、テクノロジーに敏感な世代への訴求に欠かせない存在となるだろう。
日本市場でも、小型のスマートフォンが好まれ、価格が最も低く設定されながら性能が充実しているiPhone 12 miniが人気モデルとなることは間違いない。
5G対応は日米で異なる仕様に
iPhone 12シリーズの重要なアップデートは、5G対応だ。係争していたクアルコムと2019年4月の和解によって5Gモデムを調達し、iPhoneの5G対応に道筋をつけた。すべてのモデルで6GHz以下の5Gに対応する。日本では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社で、iPhoneで利用できる5Gサービスが提供されることが明らかになった。
イベントにはアメリカ最大級の通信キャリア、ベライゾンのハンス・ベストベリCEOが登場し、アメリカ内の5Gネットワークについて説明した。アメリカ向けのiPhone 12シリーズは、ミリ波を用いた5Gに対応し、最大4Gbpsの通信速度と超低遅延、同時多接続性を実現し、スタジアムなどでの多視点中継を楽しむことができるようになる。日本向けにはミリ波対応モデルは用意されず、端末の側面のデザインがアメリカ版とは異なる。
各国とも、5Gインフラの拡充はこれからで、現状は駅や商業施設などのスポットで利用することになる。iPhoneの通信制御でも、基本は4G LTE、必要なときだけ5Gを利用する「スマートデータモード」を採用することで、バッテリー持続時間の最大化に寄与する。もっとも、5Gがつながる場所は現状ほとんど見つけられないためとも解釈できる。
5G対応でプライバシーとセキュリティーの向上を挙げていた点は、アップルらしい解釈だ。5Gによる高速通信が利用できるようになれば、公共空間の無線LANを利用する必要がなくなるため、安全ではない無線LANを避けても体験を損なわずに済むというアイデアだ。
iPhone 12には、新たにMagSafeと呼ばれるワイヤレス充電規格が採用された。充電部分はこれまで通り共通規格のQiに対応し、7.5Wから15Wへと充電速度が向上している。そのうえで、MagSafeでは、ワイヤレス充電において頻発していた問題の解決に取り組んだ。
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