「コロナ後」の初の国慶節(建国記念日)を迎えた中国各地の観光地は、8日間の大型連休(訳注:10月1日から8日まで)を通じて大勢の来訪者であふれかえった。中国文化観光省の統計によれば、連休期間中に全国の観光地を訪れた旅行者数は延べ6億3700万人、それに伴う観光収入は4665億6000万元(約7兆2804億円)に達した。
同省直属の中国旅游研究院は、国慶節の8連休の旅行者数を延べ5億5000万人と予測していたが、実際に出かけた人数はそれを大きく上回った。とはいえ「コロナ前」の昨年の国慶節(7連休)と比較すると、今年の旅行者数は21.0%、観光収入は30.1%それぞれ減少した。
中国国内では新型コロナウイルス感染への不安が和らいでおり、8連休は故郷への帰省や友人との交流、観光旅行などの需要を湧出させた。連休初日の10月1日の旅行者数はコロナ発生以降の最大を記録。中国交通運輸省のデータによれば、連休期間中に鉄道、道路、航空、客船を利用した旅行者数は1日平均延べ6211万5000人に上った。
旅行商品の価格は全面回復に至らず
複数のオンライン旅行サイトが発表したデータによれば、連休期間中の航空券とホテルの予約数は急速に回復した。旅行サイト大手の携程旅行網では、連休1カ月前の9月1~8日と比べて航空券の予約数が倍増。生活関連サービス大手の美団点評では、ホテルの予約数が5月の労働節(訳注:メーデー。今年は5月1日から5日までの5連休)の2倍を超えた。
中国国外では新型コロナの流行がまだ収束しておらず、昨年まで国慶節の連休に海外に出かけていた旅行者のなかには、今年は目的地を国内に変更した向きが少なくなかった。その恩恵を受けたのが中国西部の観光地だ。旅行サイト大手の去哪儿網によればチベット、青海、海南、四川、甘粛など15の省や自治区で、旅行商品の予約件数が昨年の国慶節を上回った。
ただ、予約が殺到しても価格はまだ全面回復には至っていない。旅行サイト大手の飛猪によれば、連休期間中のホテルの宿泊料は昨年に比べて約3割低い水準だった。「今年の商売はとても厳しい。多くのツアー商品が4割以上の大幅値下げを余儀なくされている。目下のところは顧客の数の獲得を第一にしながら、観光業のさらなる回復を待っている」。財新記者の取材に応じた重慶市のある中小旅行業者はそう語った。
(財新記者:銭童)
※原文の配信は10月9日
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