シャンシャンが年内には日本を離れる3つの訳 「せめて直行便が飛ぶまでいてほしい」との声も

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スミソニアン国立動物園からは飼育員と獣医師がベイベイに同行した。直行便だが成都までは約16時間の長旅だ。飛行機には、主食の竹66ポンドのほか、リンゴ、ナシ、サツマイモなど、ベイベイのお気に入りのおやつも積み込んだ。ベイベイは成都の空港に着くとCCRCGPの雅安碧峰峡基地へ運ばれ、そこで約30日間、隔離されて検疫を受けた。6~7歳で性的に成熟したら、繁殖プログラムに参加する予定だ。

シャンシャンはこれから中国へ出発するまでの間、輸送ケージに入って、慣れる訓練をする必要がある。さらに、出国前は検疫がある。検疫の期間は国・地域によって異なる。海外では1カ月未満のケースもあるが、近年の日本では1カ月間となっている。

アドベンチャーワールドで生まれ、2017年6月5日に中国へ旅立った海浜、陽浜、優浜が公開されたのは4月30日まで。5月1日〜6月3日の検疫期間中は、健康チェックと感染症予防のために屋内で暮らし、非公開となった。ただ、このパンダ舎の外壁の半分近くは透明になっている。検疫期間中も、来場者はそこからパンダの様子を垣間見ることができた。

検疫中は観覧できるかどうかわからない

王子動物園は、タンタンの検疫を全面ガラス張りの室内で実施する予定だ。中国側と協議して、検疫中でもタンタンを観覧できるようにしている。

シャンシャンの検疫期間も1カ月間で、室内で行う予定だ。検疫中も観覧できる見通しだが、まだ決まっておらず、検疫機関の判断による。シャンシャンが年内に中国へ行くとなると、日本にいる期間は残り3カ月を切っている。12月31日はあくまで期限なので、この日より早く旅立つ可能性もある。

クリスマスや大晦日の前後は荷物の量が増えて、輸送リスクが高まると判断し、早めることも考えられる。もし検疫中に非公開となれば、観覧できる期間はさらに短くなるだろう。シャンシャンとの別れの日が近づいている。

中川 美帆 パンダジャーナリスト

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なかがわ みほ / Miho Nakagawa

福岡県生まれ、早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)

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