シャンシャンが年内には日本を離れる3つの訳

「せめて直行便が飛ぶまでいてほしい」との声も

その一方で、和歌山県のアドベンチャーワールドには、12月2日で6歳になる雌の双子の桜浜と桃浜がいる。2~4歳で中国へ行くシャンシャンたちと、なぜ違うのだろう。

あくまで筆者の想像だが、上野動物園やスミソニアン国立動物園、ネガラ動物園、シェーンブルン動物園は中国大熊猫保護研究中心(CCRCGP)から、アドベンチャーワールドは成都大熊猫繁育研究基地からパンダを受け入れており、両者の方針が異なるのではないか。

しかも桜浜と桃浜には兄弟姉妹が多い。他方、シャンシャンは、リーリー(力力)とシンシン(真真)の間で初めて無事に生まれ育った子どもだ。遺伝子の多様性を保つには、シャンシャンの繁殖が大きく望まれている可能性がある。

リーリーとシンシンは、中国から来て2021年2月で10年になる。つまり都とCWCAが決めた10年間の期限を迎えるのだが、延長が濃厚だ。人工授精ではなく、難しい自然繁殖でシャンシャンを誕生させたことも影響しているだろう。都は約22億円をかけて、新パンダ舎を含む「パンダのもり」を上野動物園に整備した。

2020年9月7日に開催したその完成記念式典で、駐日中国大使館の蔡紅公使参事官は、リーリーとシンシンの期限に関し「もうすぐ良い結果があるだろうと報告を受けている」と発言。小池百合子都知事も10月2日の会見で「協定の延長に向け、最後の詰めを行っている」と述べた。

直行便なければ上海で乗り継ぐ

上野動物園は「シャンシャンへの負担を考慮して、直行便を希望している」(教育普及課)。だが、シャンシャンの日本滞在が延長できない以上、協定の期限までに成都への直行便の運航が再開されなければ、シャンシャンは上海で飛行機を乗り継いで向かうことになる。その場合、飛行時間は、成田~上海が約3時間30分、上海~成都も約3時間30分だ。

外務省が9月30日にまとめた10月24日までの運航スケジュールによると、成田~上海の区間を運航している日系の航空会社は全日本空輸(ANA)だけで、日曜日の午前9時30分に成田を発つ便を運航している。中国系は中国国際航空が木曜、中国東方航空が金曜、春秋航空が日曜に運航中だ。

現状はコロナ対策により、中国入国後14日間の待機が求められる「14日ルール」が存在する。もしも上海で乗り継ぎ、かつ、14日ルールが適用されたままだと、上野動物園から飼育員や獣医師が同行した場合、上海でどうなるのかなど、不透明な部分が多い。都によると、その点も含め、現状では決まっていない。

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