シャンシャンが年内には日本を離れる3つの訳

「せめて直行便が飛ぶまでいてほしい」との声も

神戸市立王子動物園で20年間暮らしている雌のタンタン(旦旦)も、間もなく四川省へ旅立つ。行き先はCCRCGPの都江堰(とこうえん)基地。王子動物園はタンタンを直行便で行かせる計画だ。3歳で元気なシャンシャンと違い、タンタンは25歳で、人間なら約75歳と高齢。より体に負担をかけないよう配慮する必要がある。

神戸市も都と同じくCWCAと協定を結んでおり、パンダの保護資金として年25万ドルを支払い、タンタンを借りている。その期限は7月15日だった。だが、パンダが苦手な暑い時期のうえ、成都への直行便が飛んでいないことから、出発を延期している。

王子動物園からは、飼育員、獣医師、園長がタンタンに同行することを検討している。ただ「14日ルール」が存在する。タンタン到着の14日前に中国へ入国しておくことは現実的ではない。そのため、王子動物園では、14日間の待機が免除される時期になってから、タンタンを中国へ送る話が出ている。

関西国際空港を運営する関西エアポートによると、コロナによる運航休止が相次ぐ前の2019年冬ダイヤ(2019年10月27日~)では、関西国際空港から成都への直行便を中国国際航空と四川航空が運航していた。

タンタンが乗るのは、このいずれかの飛行機かもしれない。タンタンが中国へ行く日は、出発の1カ月以上前に王子動物園が発表する予定だ。

シャンシャンの両親も上海で乗り継いだ

四川省には、シャンシャンの行き先候補と推察されるCCRCGPの基地が3カ所ある。上野動物園によると、シャンシャンがどこへ行くかは決まっておらず、四川省ではない可能性もあるという。

どの候補地も成都双流空港から陸路で1時間以上かかる。ただ、もし上海で乗り継ぐことになっても、担当する阪急阪神エクスプレスには、その経験がある。

シャンシャンの中国行きを手がける会社を決める際、入札に参加するには「大型動物の輸出・空輸実績がある」「成田国際空港、成都、上海に支店があり、現地スタッフによる対応が可能」といった条件を満たす必要があった。

業務内容は、①上野動物園から成田空港までの陸上輸送、②成田空港での通関事務、③空港貨物エリアでの動物園関係者による動物確認のアレンジ、④成田空港から成都双流空港までの航空輸送手配、⑤成都双流空港(もしくは上海浦東空港)での通関事務、⑥成都双流空港でのパンダの受け渡しのアレンジ――など。履行期間は2020年11月20日~12月31日だ。

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