アメリカの高すぎる授業料に学生が激怒する訳

オンライン化で据え置き・値上げに抗議が殺到

9月27日、シカゴのコロンビア・カレッジでは、市内に点在するスタジオや教室で提供するダンス、映画、音楽の専門教育を履修する学生は年間1万4000ドル(約148万円)の授業料を支払っている。米ワシントンのジョージタウン大のキャンパスで4月撮影(2020年 ロイター/Kevin Lamarque)

[シカゴ 27日 ロイター] - シカゴのコロンビア・カレッジ(ニューヨークのコロンビア大学とは無関係)では、市内に点在するスタジオや教室で提供するダンス、映画、音楽の専門教育を履修する学生は年間1万4000ドル(約148万円)の授業料を支払っている。

その同校が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を理由に、一部の講義を夏場からオンライン化した一方、授業料は据え置いたため多くの学生から不満の声が上がった。

テレビと文化の研究を専攻するニュージャージー州出身のイサイア・ムーアさん(21)もその1人。現在は授業料引き下げと大学の財務の透明性向上を求め、構内での抗議や請願、大学当局との面会を行う学生グループのリーダーを務めている。

ムーアさんは「私たちが受けてきた教育内容にふさわしい授業料になってほしい。未曽有の問題に対して今までにない解決方法が必要な時だ」と語る。

大学側はコスト変わらず抵抗

対面授業が減少し、構内施設を利用する機会も少なくなったという理由で大学に授業料やその他費用の減免を要求している学生は、ムーアさん以外にも増え続けている。

米国では元来、高等教育費用の高騰が長年の問題だったが、この春にパンデミックのために授業中止や構内閉鎖に動いた大学が相次いだため、問題は一気に先鋭化した。学生側が起こした授業料返還訴訟も十数件に上る。

さらに秋学期を迎えて米国の3分の2の大学が少なくとも一部の講義をオンライン形式に切り替えつつある中で、授業料に見合う教育を受けられないという学生の声は高まる一方だ。

ただ、コロンビア・カレッジを含めた多くの大学は、授業料引き下げに応じようとしていない。講義が対面かオンラインか、あるいは2つの併用かにかかわらず、職員の給与や大学の維持費用は変わらないからだという。

コロンビア・カレッジは声明で「これら3方式のどれであっても、大学は各コースで期待される成果を挙げて卒業に向けた単位を取得してもらうようにする」と述べ、包括的でしっかりした秋学期を提供していると強調した。

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