新アップルウォッチの凄すぎる健康機能の全貌 使ってわかったバッテリー持続時間の向上

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加えて、充電スピードも大きく向上していた。0%から100%まで1時間半で充電することができるようになっており、朝起きて身支度や朝食の間に充電しておけば、出発までにほとんどのバッテリーを回復することができる。

もし、Apple Watchでの睡眠計測を取り入れたい場合、大きく改善したバッテリーライフは買い替える理由として非常に強い動機になる。

血中酸素ウェルネスアプリとは?

Apple Watch Series 6には、新たに血中酸素ウェルネスアプリが用意された。15秒間赤外線を照射することで、血中のヘモグロビンの何パーセントが酸素を運んでいるかを計測し、血中酸素飽和度として表示するものだ。通常95〜100%の数値が正常とされている。アップルによると、医療目的ではなく、あくまで健康増進やエクササイズの際に利用するデータだとしている。

血中酸素ウェルネスアプリの画面。15秒間静止させている間に、赤外線を用いてヘモグロビンを調べ、血中酸素濃度として計測する(筆者撮影)

この機能を使う際には、適度に時計を肌にフィットさせ、手首を動かさず、時計が水平になるように保ち、15秒間静止していなければならない。少しでも条件が崩れると計測できず、心拍計と比べると繊細な作業といえる。睡眠中も安定していれば、定期的に計測しており、睡眠時の血中酸素飽和度も知ることができる。

Apple Watchではこれまで、心拍計、頻脈・徐脈の通知、心電図、最大酸素摂取量(VO2Max)、そして今回血中酸素ウェルネスアプリを追加した。すでにアメリカなどで利用可能になっている心電図について、アプリとして日本の厚生労働省の認証を取ることができ、医療機器としてデータを活用することができるようになった。近日中に、日本向けにも、心電図アプリが提供されるものと考えられる。

なぜここまで、心臓に関わる計測機能を充実させてきたのか。それは、主力のアメリカ市場における死因のトップが、心臓疾患によるもので、全体の23.1%に上るからだ。2020年に関しては、新型コロナウイルスが死因の2位になったが、それでもトップは依然として心臓疾患のままだ。

Apple Watchが健康管理、特に命を守るデバイスとして役立つうえで、心臓は最も効果的な領域であり、医療費・健康保険が非常に高額で、医療が身近ではないアメリカの現状も加味すると、Apple Watchが健康を維持し、病気を察知するための頼れるデバイスとしての地位を固めようとしていることがわかる。

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