4月には、LINEグループ内でカレーに関するトークを行う「カレーのオープンチャット」を立ち上げた。メンバーは150人を超え、日々カレーの調理法やカレー店の情報が交わされている。「9割以上が会ったことのないメンバーですが、知識豊富な方が多く、実際にお店を営んでいる方もいて、自分自身とても勉強になっています」とカレー哲学氏は話す。
このほか、カレーに関するさまざまなテーマの下、10人前後の参加者がズームで対話する「カレーのパースペクティブ」プロジェクトの運営にも携わっている。こちらは2週に1度の開催。5月には、同プロジェクトの立ち上げに先がけ、18人の寄稿者からなるカレーのZINEも編集・発行した。
そして10月には、カレーの熱心な作り手と共に生活し、日々カレーを作りながら技術や知識を交換し合う「カレーシェアハウス」も始める。
「カレーには終わりがない」
「すべてコロナがなければ始めていなかったことです。以前はカレーで人と交流することは多くありませんでしたが、リアルでの交流がしづらくなったことで、かえって活動のベクトルが外を向いた形です。
振り返れば、以前は仕事を言い訳にして、本当にやりたいことをやっていなかったな、と。通勤して仕事して、平日は何もできずに終わり、ずっとストレスを抱えていた気がします。でもコロナ禍をきっかけに、やりたいことの優先順位がはっきりし、今は本当に自分がやりたいことをやれている感じがあります」(カレー哲学氏)
これほどまでにカレーにハマる理由について同氏は、「カレーは構成要素が多く、自由度も高い。だから本当に終わりがないというか、一生やっていられるなコレ、という感じ」と語る。「知れば知るほど、逆にわからないことが増えていき、もっとやらなければというふうになる。カレーは“沼感”があるなと思います」。
近年は、カレーがインターネットと結びつくことで、ひと昔前にはできなかったようなカレー活動ができるようになっている。また、スパイスカレーブームやコロナをきっかけにカレー作りをする人も増えている。そうした流れにより、カレーの「人を結びつける力」や、スパイスを介して「感性に訴えかける力」などが、いっそう浮き彫りになっているのかもしれない。
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