上司が得意げに言う「主体性を持て」のワナ

ああ、それも思考停止ワードです!

 会社で、ビジネスシーンで“常識のごとく”口にされる言葉やフレーズがある。そうしたものの中で気をつけなければならないのが、言われれば妙に納得できるがよくよく考えると「で、どういう意味?」と首をかしげたくなる、いわゆる思考停止を招く「マジック・ワード」。
 それを知っているかどうかが、会社内での立場や人間関係をも左右しかねない。そこで、よく耳にする、そして新年度の今だからこそ発せられやすいマ ジック・ワードについて、前回記事に続き、文章表現のプロである吉岡友治氏に聞く。以下、A君と吉岡氏の架空のやり取りから、論理的な言葉づかいのヒント を感じてほしい。
※第1回目記事「その上司の言葉、『思考停止ワード』です」はこちら
※第2回目記事「社長のスピーチは、思考停止ワードだらけ?」はこちら

 

【今回の「お言葉・フレーズ」】 主体性を持って取り組め

 Aくん、今日も吉岡先生のところに来て話し込んでいます。仕事のやり方で疑問が出てくると、とりあえず話しているうちに頭がすっきりするみたいです。

「自分としては、仕事をそれなりにきちんとやっているつもりなのですが、上の世代から『もっと主体性を持って取り組め』って言われるんですよね」

吉岡「そういえば、この頃『さとり世代』という言葉もあるんだって?」

「ムダな努力や衝突を避け、高望みしない。クルマとか、モノを欲しがらない。異性・セックスに興味がないなんていう若者のことを言うみたいですね。1987年以降に生まれた世代で『ゆとり教育』の落とし子だとか。ボクも『さとり世代』に入るんです」

吉岡「日本人って、ホントに世代論が好きだね。私が大学生のときなんか『シラケ世代』と言われたし、その後には『新人類』とか『バブル世代』とか、毎年のように『何々世代』という言葉を作り出している人たちがいる」

「もちろん、毎年、世代が新しくなるわけではないですよね」

吉岡「当然だろうね。しかも、そういう人が『日本型組織』とかいう言葉を平気で使うのだから、びっくりだね。1年ごとに『世代』が変わったら、日本型組織なんて特徴はできるわけない。むしろ、『世代』という言葉で輪切りにして、集団を分類できるという思い込みや思考パターンがどこから来たのか、考え直したほうがいいよね」

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