注目アップルイベントでiPhoneは発表される? 9月15日、誰でも視聴できるオンライン発表会

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iPhoneに関しては公式に遅延が発表されているが、Apple Watchについては特に遅れるとの言及はない。ただし、Apple Watchにもセルラーモデルがあるため、iPhone同様、製造の過程でのテストが必要になることから、販売スケジュールに多少の影響があるかもしれない。

今回のApple Watchで期待したいのは、バッテリー持続時間の向上だ。2015年の登場当初から、Apple Watchのバッテリーライフは1日(18時間)だった。人は6時間前後睡眠を取るはずで、起きている時間の活動を計測・サポートするApple Watchにとっては、切り捨ててもいい時間だった。

しかし現在ベータ版が配信されているApple Watch向け最新OS「watchOS 7」には睡眠計測機能が備わっており、現在のバッテリー持続時間では睡眠前、睡眠後にも充電が必要になってしまうため、他社製のスマートウォッチやスポーツトラッカーに比べるとユーザー体験が悪い。最新モデルが出るならば、バッテリー持続時間を少なくとも24時間、できれば40時間程度まで延ばしておく必要がある。

品薄の状態が続くiPad

一方、2019年9月のイベントで刷新されたiPadは、オンライン学習の需要を捉えて急成長しており、日本のGIGAスクール授業やアメリカの新学期シーズンも相まって、オンラインストアでも納期まで10日前後、品薄の状態が続いている。

現在、さらに納期が延びているのがミドルレンジとなるiPad Airだ。アップルのオンラインストアでは、最短でも9月24日~10月以降の納期が示されている。現在のiPad Airが発表されたのは2019年3月で、すでに1年半が経過しているのに、だ。

2019年9月10日のイベントでiPadを披露するグレッグ・ジョズウィアク氏は、アメリカ時間2020年8月4日に、ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントに昇格した(筆者撮影)

近年、iPadラインナップ全体として、1年半程度のモデルチェンジがサイクルとなっていることから、iPad Airがそろそろモデルチェンジを迎えてもよさそうだ。これはiPad miniにも言えることだ。

現在のiPad Airは、半年前までiPad Proを名乗っていた10.5インチでホームボタンを備える筐体を採用し、アクセサリーなどもそのまま利用できる形で登場した(参考記事:アップルが「iPad Air」とminiを刷新の深いワケ)。そのパターンを踏襲するなら、現在のiPad Pro 11インチモデルのデザインを採用し、価格を抑えた新モデルとして登場するのではないだろうか。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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