まず、多くの方が勘違いされているのですが、東大入試では重箱の隅をつつくような、難しくて細かい知識を問う問題は出題されません。それどころか、見る人によっては「なぞなぞ」のように感じてしまう問題が多く出題されているのです。
「ええ? 本当?」とお考えの人もいると思うので、実際に東大の問題を見てみましょう。
「頭の柔らかさ」が問われる東大の入試問題
生産量の2倍以上が消費されるというのは、よくわからない現象ですよね。生産された量以上に消費されるなんてありえるのでしょうか? そしてこの問題に答えられるような「頭の柔らかさ」を持つためには、どうすればいいのでしょうか?
結論から言うと、頭の柔らかい人とは「いろいろな目線」で物事を見る人のことだと僕は考えています。「1つの見方」に凝り固まってしまうのではなく、「複数の見方」で物事を見るようになると、頭が柔らかくなるのです。
例えば上の問題。「生産側」から考えれば、つくった以上のものが消費されるというのはありえない現象です。しかし「消費側」から考えると、自ずと答えは見えてきます。
僕らは、同じものを何度も消費することがあります。僕の祖母はよく昔使っていた服の生地を使ってハンカチをつくってくれますし、会社でも一度使った資料の裏紙にコピーすることがあるのではないでしょうか。消費側から見れば、そういう「リサイクル」は当たり前のことです。
そう考えれば、携帯電話やPCがリサイクルされ、もう一度その中の金属を利用することがあることに思い至ります。「鉛」は機械から回収されて、僕らはそれを2回、3回と繰り返して使っているのです。だからこそ、生産された量の2倍以上が消費されるという現象が起きるのです。
こんなことは、教科書や参考書には書いてありません。与えられた情報をもとにその場で考える「頭の柔らかさ」が求められているのです。
こんな問題もあります。
多くの人は「え? 鎖国が終わって西洋風の文化が入ってきたから、砂糖も多く用いるようになったんでしょ?」と考えると思うのですが、それは「消費側」の話でしかありません。実はそれ以上の理由があるのです。
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