17歳娘を殺された父が15年後もブログを綴る訳

未解決事件が13年後に犯人逮捕、無期懲役確定

娘への想いをつづる事を今日から始めます。
(2005年12月30日「スタートです。」)

それまで日記を綴ったことはなく、まして個人サイトとも無縁だった忠さんは、とにかく動きだそうと一言だけの日記からブログを始めた。暗中模索で、聡美さんのことや事件のこと、犯人につながる情報が少しでもほしいことなどを発信していく。

慣れない当初は掲示板サイトにリンクを貼られて晒されたりもした。それでも折れずに更新を続け、ついたコメントにも極力素早く返信をつけた。仕事と街頭での呼びかけ、そしてブログでの情報発信と情報を受け取り。それが日常になった。

「犯人につながる情報を持っている人のなかには警察には言いにくい人もおられるかもしれません。捜査に必要な情報だけを私に直接伝えてもらえれば、隠された情報も出てくるのではと思いブログを始めました。期待というより不安から、です」と忠さんは当時を振り返る。

多くの情報を集めるためにはより多くの人に読んでもらう必要がある。一般に、サイトは記事が古くなると検索結果の上位に上がりにくくなって読まれる機会も減る。なるべく更新頻度を上げる必要があるが、毎回の記事で犯人に関する情報だけ募っても飽きられて読者が離れていきそうだ。

トップ記事を犯人の似顔絵や事件当時の情報に

そこで忠さんは、犯人の似顔絵や事件当時の情報などをトップ記事に据えることにした。利用しているブログは新しい記事ほどページ上位に置かれる仕組みになっている。この記事だけ投稿日を数年先に書き換えておけば、毎日更新してもずっとトップに固定しておける。普段の投稿は娘のことを中心に日々感じたことや身の回りのことを無理せず綴ればいい。ブログ開始数カ月で思いつき、以後ずっと続けている。

2006年ごろのトップ画面。トップ記事を2007年に設定して固定化している(画像:ブログ「SA・TO・MI ~娘への想い~」より)
犯人像ですが
・年齢 →十代後半~二十代
・身長 →170cm前後
・特徴 →体は、がっちりしていた。その割に顔は小さい。
      髪の毛の色は黒に近い。(よく見れば茶髪)
      相当なワルと思い込みがちですが第一印象は、普通の男性に見えるかもしれません。
・服装 →当時、黒っぽい服を着ていた。
(略)
どんなささいな事でも良いですから、教えて下さい。
(2006年初旬にアップされたトップ記事「事件について」より)

ブログを開けば犯人の似顔絵。できれば見たくない顔貌だが、優先すべきは多くの人に読んでもらうこと。ひいては、事件の記憶を思い出してもらい、有力な情報を提供してもらうことだ。なるべく早い解決を祈って更新頻度を上げていく。ブログのアクセスは何もないときで1週間あたり1000PV(ページビュー)程度を維持し、テレビや新聞で事件が取り上げられた際はその都度跳ね上がった。事件に関する情報は年に10~15件ほど届いた。

それが10年以上続くことになる。

次ページ忠さんはマイナスな感情を見せずにブログ更新を続けた
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