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「親の宗教」に20年囚われた女性が語る壮絶過去 薬は不可、自宅には「幹部」が交代で同居

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  • 大塚 玲子 ノンフィクションライター
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いよいよA教と離れようと考え始めたのは、社会人になって数年後、結婚してからでした。一時期専業主婦になって時間ができ、自分の中でA教への気持ちが変化していることに気づくことができたのです。

当時体調がすぐれず、治療法を探していたところ、薬を使わないカウンセリングクリニックを近所に見つけ、道子さんはそこに3、4年ほど通ったということです。

「それで、だんだん落ち着いてきました。あるときカウンセラーの先生に『A教に毎月お金を払っているのがおかしい気がしてきた』と話したら、『本当に神様がいるんだったら、お金を払わなくたってちゃんと(信者と)つながってくれるはずだ』と言ってくれて。『ああ、確かに』と思いました。それが自分の中で、1つの区切りになった気がします」

「何かおかしい」という直感を信じてほしい

子どもが生まれて1、2年経った後、道子さんはついに、カウンセリングにも通わなくて済むようになりました。背景には、母親との関係の変化もあったようです。

「うちの子が赤ちゃんのとき、母親が無意識に『儀式』をしようとしたんです。子どもの健康にいいと思ったんでしょうけれど、私が『それはちょっと嫌だから、やめてほしい』とはっきり言ったら、受け入れてくれて。それも大きかったと思います」

カウンセリングに通っていた頃、道子さんは母親とさんざん電話で「バトル」をしたそうですが、母親は少しずつ道子さんの話に耳を傾けてくれるようになっていました。おそらくそれで、母親への信頼が戻ってきたのかもしれません。

今も家族と宗教のことでつらい思いをしている人は、世間にたくさんいるでしょう。でも、「子どもをそこから救うことは難しい」と、道子さんは感じていると話します。

「息子の友達でも、いるんです。何の宗教か知らないけれど、親が宗教に入っているから日曜はそこに行かなければいけない、と嫌がっている子が。でも子どもの立場だと、周囲が助けることはとても難しい。大人になったら自由にできるはずだよ、ということは、言ってあげたいんですけれど」

子どもでも大人でも、自分の置かれた状況を客観的に見るのは難しいものです。でももし「何かおかしい」と感じたら――。その直感を、どうか信じてほしいと思います。

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