クボタ社長「農機の大型化は不退転の覚悟」 欧米市場では大型機を投入、インド市場も攻める

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――インドでどの程度のシェアを狙うのでしょう?

インドはマヒンドラ&マヒンドラをはじめとする現地メーカーに加え、欧米など海外メーカーも数多く進出していて、競争は非常に激しい。

当社のシェアはまだ2%程度でしかない。今回の合弁を戦略的に活用し、2025年にはシェア7%、最終的には10%くらいは確保したい。

また、インドで安価な製品を作るノウハウを蓄積できれば、東欧やアフリカ、南米といった市場にも進出する余地が出てくる。最終的にはインドを安価製品の輸出拠点にしたいと思っている。

――M8による大型化の一方でスマート農業など新しい農機にも取り組んでいます。

社内では常々、単にトラクターを売ってたらアカンと言っている。IT化が進み、農機が自動運転化するなど農業自身の形が変わる中でトラクターも形は変っていく。10年後のトラクターは今の形をしていないだろう。

ゲームチェンジャーが現れて、追い抜かれてしまう可能性だってある。社会の価値観も変わる。これまでは効率重視だったが環境への配慮なども重要になっていく。この動きはコロナで加速していくだろう。

インフラ全体としても提案していく

農機を売るだけではなくスマート農業やインプルメント(トラクターなどに取り付ける作業用機械)などを組み合わせてトータルソリューションとして、提供していく必要がある。

スタートアップとのコラボなども含めて進めている。加えて、クボタには水環境や焼却炉などインフラ事業もある。こうした物も組み合わせてインフラ全体としても提案していきたい。

――就任早々に発生した新型コロナの影響はどうでしたか。

きたお・ゆういち/1956年生まれ。1979年クボタ入社。開発畑を歩み2005年トラクタ技術部長に就任。トラクタ事業部長やクボタトラクターCorp.社長を歴任。2019年1月副社長兼機械事業本部長に。2020年1月から現職(撮影:ヒラオカスタジオ)

工場を止めるなど影響はあったが、需要自体は傷んでいない。北米では工場を止めたことで、むしろトラクター需要に生産が追いついていない。

3月、4月は大変だったがその後はむしろ市場が伸びている。要因としてあるのが「憧れ」だろう。アメリカンドリームの象徴として(ビジネスで)成功したら、郊外で大きい家に住み、馬や牛をはべらせる。そして(大きな庭の芝刈り用として)スコップ代わりに使うのがコンパクトトラクター。巣ごもりでむしろ需要が増えた。国内については消費税増税の反動減もあったため、少し前年を下回っているが回復はしてきている。

この(コロナを)機にコスト体質を強化し、売り上げが減ってもしっかり利益を出せるようにしたい。

中野 大樹 東洋経済 記者

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なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

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