クボタ社長「農機の大型化は不退転の覚悟」
欧米市場では大型機を投入、インド市場も攻める

――畑作に使う大型農機の市場に攻勢をかけていますね。
私が入社した当時(1980年前後)は、「ジョンディア(ディアアンドカンパニーの展開する農機ブランド)のしっぽを踏むな」といわれていた。圧倒的大手を怒らせるな、と。
ヨーロッパやアメリカに参入した当時は市場探しに苦労して、後発としてコンパクトトラクターなど隙間の市場を探して入っていった。だが、(現在はクボタの製品の)大型化で彼らのドル箱と競合し始めている。不退転でいくしかない。ここからはガチンコになる。
私自身、長く開発畑で農機の大型化に取り組んできた。
「やっとここまで来たか」という気持ち
最後に開発者としてタッチしたのは120馬力。

今回のM8はカナダのビューラー社からOEM供給を受けるが、大型農機の内製化も進めていきたい。2015年に発売したM7も中身は部品メーカーから買ってきた物も多い。ジョンディアはすべて内製。欧州に新設する開発拠点でこれを進めていく。すでに300馬力帯のエンジンは開発が進んでいる。
――今回、M8で畑作に進出する理由は何ですか。
すでにアメリカのコンパクト市場では40%のシェアを握っている。ガチンコでいろんなブランドがひしめいているなかで市場自体は伸びていてもシェアを伸ばすのは難しい。