転職市場は09年4月を底にゆるやかに改善
2009年12月の転職求人倍率は0.86倍となり、9月以降、3カ月連続の上昇となった。
転職求人倍率09年4月の0.68倍を底にゆるやかな改善が続いており、転職希望者にとって最悪期は脱したようだ。
人材サービス会社のインテリジェンスが運営する転職サイトDODAが09年12月の転職求人倍率を発表した。求人数増加の内訳を見ると、大手・有名企業の求人ばかりではなく、中堅・中小企業の求人も増えている。
全業種で前月比プラス
12月の業種別の転職求人倍率を見ると、「メディカル」が2.96倍と最も高く、次いで「IT/通信/インターネット」(1.05倍)、「金融」(0.88倍)と続く。
「メディカル」業界は10年前後に大型医薬品の特許が一斉に切れる、いわゆる「2010年問題」などを背景として、求人倍率が高い状態が続いている。
「IT/通信/インターネット」は、09年6月以来の1倍を上回る数値となった。
また12月は、全業種で前月を上回り、特に、「商社/流通」は6カ月連続、「小売/外食」は5カ月連続など、継続的な改善傾向をみせる業種も増えている。
DODAキャリアコンサルタント大浦征也氏は次のようにコメントしている。
「転職希望者の動向としては、リーマン・ショック以降から09年夏にかけて一気に求職者が増加した“混乱期”を経て、現在は落ち着きをみせている。09年末、政府より発表された経済成長戦略の中で『20年までに医療・介護分野で約280万人、環境・エネルギー分野で約140万人、観光分野で約56万人の新規雇用を生み出す』という目標が明示されている。10年は、これらの分野で採用ニーズがより一層高まるものと見られており、動向が注目される」。
(東洋経済HRオンライン編集部:田宮寛之)
■「転職求人倍率」の定義
「転職求人倍率」は、DODA転職支援サービス登録者1名に対して、寄せられる中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。算出式は以下の通り。
転職求人倍率 = 求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数
【求人数】: 前月からの繰越求人数(採用予定人員)と、当月中に新たに登録された新規求人数(採用予定人員)の合算で算出。
【転職希望者数】: 前月からDODA転職支援サービスに継続登録している繰越登録者数と、当月中に新たに登録した新規登録者数の合算で算出。ただし、繰越登録者数は、直近半年以内の登録者数を採用。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら