2位は昨年と同順で富士フイルムホールディングス(570.5点)。人材活用100点(1位)、環境95.7点(18位)、企業統治+社会性98.0点(5位)はいずれもドコモを上回る。だが、財務276.8点(7位)で8.2点の差をつけられ、総合得点ではわずかに0.8点及ばなかった。
富士フイルムHDのCSRの中心テーマは気候変動問題、人材育成、品質および安全、人権・雇用、情報開示と対話、CSR調達等と幅広く設定されている。特にトップの人材活用はレベルの高さが際立つ。労働災害度数率は11年度0.00、12年度0.09と、製造業でありながら低い水準を維持。障害者雇用率も2.17%と法定を超えている。
高齢者雇用やダイバーシティでも高評価
各事業所でワーク・ライフ・バランスセミナーを開催し、仕事と家庭の上手なバランスの取り方について啓蒙するなど、従業員の働きやすさにも配慮している。65歳までの全員雇用やLGBT(性的少数者)への権利尊重など、女性活用にとどまらないダイバーシティにも積極的だ。
企業統治+社会性も5位と高い。公益信託「富士フイルム・グリーンファンド」を通じた多数のNPO・NGOの活動支援、発展途上国向けの低価格デジタルカメラを開発・販売するBOP(ベース・オブ・ピラミッド)ビジネスなどにも取り組む。「ビジネスの利益よりコンプライアンス優先」といった高いレベルの行動規範の浸透ゆえだろう。
3位は昨年5位から上昇した日産自動車(557.8点)。人材活用3位(97.4点)、環境6位(98.6点)、企業統治+社会性13位(96.7点)、財務25位(265.1点)とまんべんなく高得点を獲得した。
同社のCSR部はCEO直轄組織で、CSRは経営の中心に位置づけられている。仏ルノー傘下の同社はグローバルの意識が強いことが特徴だ。グローバルに広がる サプライヤーとともにCSRを実践していくため、2010年に「ルノー・日産サプライヤーCSRガイドライン」を発行。海外も含めてサプライヤー全社に配布する。汚職・贈収賄防止では2012年4月に「グローバル贈収防止ポリシー」を制定。日産グループ全社に適用するグローバルポリシーとして運用している。
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