住宅ローンの「35年返済」が実は得ではない理由 返済期間に注目すると最大数百万の差がつく

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「ある程度まとまった金額でしたほうがいい」という繰り上げ返済への思い込みは、正直に言えば、もったいないです。少額でも良いので少しでも早い時期に繰り上げ返済するほうが断然お得だからです。

以前は繰り上げ返済手数料として数万円を求める金融機関も多かったので、その手数料を含めて考えるとまとまった額で繰り上げ返済したほうがいいという判断も確かにありました。しかし、最近は繰り上げ返済の手数料が無料のところが大半です。少額であっても少しでも早く繰り上げ返済したほうが明らかに効果は高い状況です。

長期間の高額な借り入れはリスク

 金融機関の中には、自動繰り上げ返済のしくみのある住宅ローンを扱っているところも。毎月の返済日当日に、返済用口座に指定残高以上の資金がある場合に自動的に一部繰上返済するというもので、手数料無料で毎月の繰り上げ返済も可能です。気になる方は調べてみてください。

以上、住宅ローンの“返済期間”に焦点を当てて、利息節約のポイントを見てきました。人によって考え方が異なるかもしれませんが、先行き不透明な今のような時代は、高額な借り入れを長期間続けることは、やはり大きなリスクと考えます。住宅ローンは期間限定で返すものなので、返済期間を短く借りる・返済期間を短くする努力はとても大切です。

先日みえた相談者は、一戸建てを購入して今月で完済とのことで、来月から住居費ゼロ生活に突入するのだと晴れやかな笑顔を見せてくれました。住居費の大半を前倒しで払っていける点が住宅を購入する醍醐味だとあらためて実感しました。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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