住宅ローンの「35年返済」が実は得ではない理由 返済期間に注目すると最大数百万の差がつく

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また、3つ目のケースとして、納めている所得税や住民税が少なく、「年末の住宅ローン残高の1%」より少ない額しか還付されないこともよくあります。約2000万円の住宅ローンを組んだとしても、「年末の住宅ローン残高×1%」にあたる約20万円をすべての人が受け取れるわけではありません。というのは、納めた税金以上には還付されないからです。

年収500万円の人が仮に8万円の所得税を納めているというとき(個々の家庭で異なります)、住宅ローン控除による所得税からの還付金はその8万円が上限額になります。

所得税から引ききれない分は住民税からも上限付きで対象になるので、住民税からの8万円と合わせて、合計で約16万円の控除が受けられるイメージですが、それでも、当初に想定していた約20万円に比べて少ないと感じる人は多いです。

金利1%以上のローンも繰り上げがお得

所得税・住民税の納税額が「年末の住宅ローン残高の1%」より少ないご家庭の場合は特に、多く借りたままにしておく必要はないので、繰り上げ返済で利息の節約に踏み切ったほうがお得ですね。

住宅ローン控除のしくみの詳細については、国土交通省のホームページなどで確認しておくといいでしょう。

なお、4つ目のケースとして、金利1%以上の住宅ローンを借りている人も、迷わず繰り上げ返済したほうがいいと考えます。「年末の住宅ローン残高の1%」をもらえるとはいっても、それ以上の金利で借りているわけですから、差し引きしても“損”なのです。借金(住宅ローン)を減らすに越したことはありません。

なお、「このまま期間短縮型で繰り上げ返済すると返済期間が10年(または13年)を切ってしまう」という場合は、要注意です。10年(または13年)を切った時点で住宅ローン控除も打ち切りになってしまいます。繰り上げ返済の方法を、「期間短縮型」ではなく「返済額軽減型」に切り替えれば、返済期間は縮めずに利息の節約を図れます。

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