「家政夫ナギサさん」に日本人がハマる納得の訳 コロナ禍で蓄積したストレスをスッキリと解消

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見ていて、「こんなことありえない!」「リアルじゃない!」と否定するほどでもない、夢の物語として、実に気楽に見ることができるのだ。たまに「1on1ミーティング」のコミュニケーションによって社員間の信頼を獲得し仕事をスムースに行うなどのビジネスに役立ちそうなことも出てくるが、ことさら何か教訓を得られることがあるわけでもない。ただ、なにごとにも寛容であろうという気持ちにさせてくれる。

美味しそうな料理、感じのいいインテリア、できる女性・定番の腕時計・カルティエ・タンク、オシャレを楽しむファッションなどを見ていると、心に涼しい風が通るようなのである。

唯一物足りないのは動物(猫とか犬とか小鳥)が出てこないことであるが、俳優がいいので十分すぎるほどである。

多部未華子と大森南朋のキャスティングも絶妙

なんといっても主人公の多部未華子がいい。姿勢がよくて、清潔感があって、真面目そう。声が澄んでいて、ちょっと毒のあることを言っても、きつく聞こえない。部屋が汚い設定も、リアルにだらしない感じがしない。『ナギサさん』と同じ時間帯にやっていた『逃げ恥』の新垣結衣と並ぶ2大クリーン女子である。

実直そのもののナギサさんを演じている俳優が演技派の大森南朋であることもよい。これがあまりにもイケメンだったりすると、イケメンだって演技派も大勢いるのだが、世の中にはイケメンというだけで偏見を抱く人もいるから、圧倒的な実力で無駄な敵を作らない大森南朋で正解。

恋のライバルを演じる瀬戸康史は、先ごろ山本美月と結婚が発表されたばかり。この夫婦の結婚報告の写真のイメージが、単なる爽やか夫婦を通り越し、漫画の美男美女カップルのような様式性の高い雰囲気で、それが現代的でさらに評価がアップしたところ。

多部未華子、大森南朋、瀬戸康史、この3人が三角関係になっていきそうだが、決してドロドロになったり傷つけ合ったりすることなく、安心して見ることができるだろう。

ストレスフリーで気分を空っぽにして、水曜日からの仕事の後半戦に向かいたい。

木俣 冬 コラムニスト

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きまた ふゆ / Fuyu Kimata

東京都生まれ。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。

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