「逃げ恥」の新垣結衣、何度見ても飽きない魅力 再放送の特別編がこれだけの人気を保つ理由
大ヒットドラマ「逃げ恥」こと「逃げるは恥だが役に立つ」(TBS系、2016年)の未公開映像などを交えた「逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編」(火曜夜10時から)の放送が5月19日から始まった。未公開カットなどをプラスしたり、もともとあったカットを放送時間に合わせて一部圧縮したりするなどした手のこんだバージョンは、以前からのファンも大満足なものだった。本編のチーフ演出家・金子文紀が自ら編集したという。
今回の再放送のほうが2016年よりも高視聴率
2016年の本放送で社会現象化するほどのブームを起こした「逃げ恥」はこの3年半、何度も再放送されていて、放送前には「さすがに飽きられているのでは?」という懸念もあったが、結果は11.0%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と好成績。本放送時の第1話の視聴率は10.2%で、再放送のほうが上回ったのである。
ここから先はネタバレを含むので注意していただきたい。第1話の内容はざっとこんな感じ。主人公・森山みくり(新垣結衣)は大学院まで出ながら就職難で派遣社員をやっていたが、その仕事すら派遣切りで失う。幸い父の紹介で、津崎平匡(星野源)という優秀なシステムエンジニアの家での家事代行サービスという新たな職を得る。
神経質でひとりが好きな(「プロの独身」と自称している)平匡はみくりの的確な仕事を気に入る。誰かに必要とされることに喜びを感じたみくりと平匡、互いのメリットが合致してふたりは「契約結婚」する。だが、家事に正当な賃金を払うという極めて合理的なシステムは、一般的にはなかなか理解されないもの。そこで表向きは「結婚」という形をとることにする。
就職難、恋愛や結婚観の変化等、現代の若者が抱える社会の悩みを「契約結婚」という形で解消する物語は以後、偽装結婚を見破られまいとするあたふた、徐々に芽生えてくる恋愛感情……とみくりと平匡に変化をもたらしていく。海野つなみによる原作漫画をポップにドラマ化した「逃げ恥」は毎回目が離せない極上のエンターテインメントとなり、本放送時、回を増すごとにぐんぐん注目されていき、最終回(11話)は視聴率20.8%までうなぎ登りとなった。
人気アップに一役買ったのが、星野源によるエンディングテーマ曲「恋」を新垣結衣や星野ほか、出演者たちが楽しげに踊る「恋ダンス」。たくさんの国民が一緒に踊ったもので、いまも「恋」が流れると体が自然と動き出す人も多いであろう。物語、キャスト、スタッフ、主題歌、視聴者を巻き込むアイデア……パッケージ感が近年まれにみるほど完璧だった「逃げ恥」。だが、特別編がこれだけ受け入れられた最大の理由は――。
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