婚約指輪をあげた後にお断りされた男性の憤り

結婚したら豊かな暮らしが約束されていたが…

「今日の女性は、今まで会った人たちの中で、一番話が盛り上がりました。お見合いも3時間近く話をしていて、その後、夕食に誘ったら、『ぜひ行きましょう』と言ってくださったので食事にも行って、今別れました。6時間一緒にいましたよ。今回は、うまくいきそうな予感がします」

翌日には、貴代からも“交際希望”が来て、2人の交際がスタートをした。

毎日メールし、10日に1度はデートをしていた

交際になったら、マメに連絡をいれる。時間を見つけて頻繁に会う。これが、婚活で出会い、結婚をしていくための鉄則だ。貞夫は、毎日貴代にメールを入れ、10日に1度くらいの割合で東京にやってきては、デートを繰り返していた。

ところが、年明けから世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大していき、2月に入ると日本でもダイヤモンド・プリンセス号の船内感染がわかり3月に入ると感染は日本各地に広がっていった。それでも貞夫は仕事の合間を見つけては貴代に会いに上京していた。人混みを避けるために、レンタカーを借りて郊外に出かけるドライブデートを繰り返していた。

あるとき、貞夫からこんな報告がきた。

「今日、貴代さんを家まで車でお送りしたら、お母さんが出ていらして、『上がってお茶を飲んで行きませんか?』とお誘いくださったので、上げてもらいお茶をご馳走になりました。お父さんは出かけてらしてお会いできなかったのですが、お母さんは気さくでいい方でした」

この話を聞いて、母親に早々と会わせたのだから貴代は結婚に乗り気なのだろうと、私は踏んだ。

そして、3月の終わりに上京した際には、貴代と彼女のご両親と都内のホテルで会って会食をした。

その報告とともに、貞夫は私にこんなことを言った。

「こんなにトントン拍子に進んでいいんですかね。今まではお見合いの後に1回か2回食事をすると、お断りをされていたので、“もう結婚できないんじゃないか”という気持ちになっていました。やっぱりやり続けることが大事なんですね」

しかし、4月に入ると緊急時代宣言が出されて、都道府県またぎの移動は自粛を呼びかけられた。貞夫も飛行機に乗って都内には出てこられないムードになった。

せっかくご両親に会うところまでたどり着けたのに、このまま会えない期間が伸びていき、結婚話が破談になるのではないかと、貞夫は危惧した。そこでメールのやり取りの中で、今後の結婚への具体的な進め方を提案していくことにした。

結婚する時期の話をすると、貴代が言った。

「貞夫さんの住んでいるところを私が見ないかぎり、結婚の具体的な話はできません」

順調に前に進んでいたと思っていた結婚への道のりに、ストップをかけるような言葉が飛び出してきた。さらに、「今やっている仕事の契約期間が切れるので、昨日契約を更新しました」と告げられ、貞夫は急に不安になった。

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