「アルバイトで月15万円の生活。その職もコロナの影響で切られてしまった」「高齢の母親と2人暮らし。母はシングルマザーで、女手1つで育ててくれた。今も母親の年金で暮らしている」。それを聞いて私は本気で叱りました。「お母さんを食べさせてあげるのが筋じゃないのか」と。
アルバイトだと入会基準には達しておらず、通常はカウンセリングも行えないのですが、あまりに悲壮感が漂っているので、個人的にとても気の毒になってしまいました。そのため、通常業務の範囲外なのですが、「結婚したいならアルバイトじゃだめ、正社員じゃないと」と、その男性の住まい近くの求人をいくつか調べて面接を勧めました。
1社は落ちてしまいましたが2社目で合格し、6月に晴れて正社員に。彼は生まれて初めての正社員になったそうです。自信をつけた彼は、初給料の日に入会することになりました。
希望年収の「逆転現象」が起きている
コロナ禍でアルバイトが減り、給料が3分の1に減ってしまったという30代女性もいます。家賃が払えなくなったため実家に帰ることにしたけれど、「実家に帰る前に結婚できないでしょうか」と相談に来ました。
コロナ禍で生活が苦しくなった方の婚活は、正直言って厳しい道のりです。選択肢としては2つ。1つは、同じような年収の人と結婚して、2人で力を合わせて頑張る。2つ目は、本人が若ければという条件付きですが、「養ってあげるから、若い男性/女性がいい」という年収の高い年上を狙う。どちらかになるでしょう。
しかし、前者もなかなか厳しい。年収が低めの人は、このコロナ禍で相手が自分と同じような状況では「いつクビになるかわからない」という不安を抱え、避ける傾向にあります。
一方で、大手企業の正社員のように自分で十分な年収を稼げている人は、コロナ禍で逆に「結婚はお金じゃない。今まで『相手は年収1000万円以上に限る』と吠えていたけれど、600〜700万円でもいいから、とにかく家庭を築きたい」と心情が変化しました。低所得層の婚活は、相手の希望年収のハードルを上げ、逆に高所得層の婚活は希望年収のハードルを下げてきたという、逆転現象があるようです。
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