「結婚=嫁ぐ」という感覚が廃れている背景

妻が結婚生活に耐えるなんてことはない

「嫁ぐ」という感覚の結婚は過去のもの……親との同居や介護問題など価値観は変わりつつあります(写真:Image Works Japan/PIXTA)
結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。
今回は結婚を考えたときに気になる親との同居や介護問題についてです。昔とは違って昨今は妻の実家に同居したり、結婚を機に老親を介護施設に入れることを考えたりすることもあるようです。

料理担当は妻の父親

昔と違い「お姑さん」という言葉を聞かなくなってきました。かつて「舅、姑の面倒は嫁がみて当然」と思われていた時代もありましたが、介護は「専門家にまかせたほうが安心」という考え方が徐々にですが浸透してきており、「お嫁さんに面倒を見てもらいたい」というケースは、皆無とは言いませんがたまにしか見かけません。「〇〇家に嫁ぐ」という感覚の結婚は過去のものになりつつあります。

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30代女性のA子さん。母親が結婚をせかすそうですが、その言い分がいかにも今ドキです。「1回結婚してくれればいい。それで子どもを産んで離婚して帰ってくればいい。おばあちゃん(自分)が面倒見てあげるから」。さらに「うちの娘はわがままだからすぐ離婚すると思うの」とまで言っていました。

昔は「一度嫁いだら実家の敷居をまたぐな!」などと言って嫁に出されたものですが、今は「いつでも帰ってきなさいよ」。だからなおさら妻が結婚生活に耐える、我慢するなんてことはありません。

共働き夫婦の増加から、育児家事の支援を当て込んで妻の実家近くに住む夫婦も増えています。その昔「スープの冷めない距離」とは夫の実家との近距離別居のことを指していましたが、今は妻の実家を指します。妻は産休が明けたら、子どもを実母に預けて早々に仕事復帰する。実母は「子育てがボケ防止になる」と子育てに奮闘するわけです。

30代女性B子さんは1週間に3回、近所に住む自分の実家に食事を作ってもらっています。ハンバーグ、サラダなど家族1人分ずつ皿に取り分けてラップがしてあるので、料亭のような大きな配膳盆にお皿ごと載せて車で帰宅。そのままレンジで温めて食卓に出しています。

夫は気にするどころか、むしろ「実家に近いと安心」と喜んでいました。しかもその料理、実母ではなく実父が作ったもの。娘のハンバーグは小さめ、お婿さんは大きめと細かく作り分けているそうです。時代は変わりましたね。

ちなみにB子さんの夫は長男。にもかかわらず、結婚時には夫の両親から「B子さんは長女で跡継ぎですから、息子は養子に入ったほうがいいですか?」と聞かれたそうです。B子さん一家はさすがにその申し出は断ったそうですが、それほど価値観が変わってきているということです。

祖母(祖父は他界)と母親(夫と離婚)と3世代で一軒家に住む女性C子さん。お見合いしたある男性とのデートで、夜「母がさみしがるから」と食事をせずに帰ろうとしたところ、「それなら君の家まで送っていくよ」ということになり、その後毎晩、男性がC子さんの実家に来て一緒にご飯を食べることになったそうです。

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