インド人スタッフの時間感覚と勤怠管理--時間管理法の変更を迫られる日本企業

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個人によって差はありますが、こういった風土で育ってきたインド人が時間厳守の国である日本に来てもなかなか感覚を変えられない可能性があります。

--1時間30分の遅刻ですか。日本では普通、考えられません。インド人の優秀なビジネスマンでもそういう感覚なんですね。

そうです。こういったインド人の「おおらかな国民性」というのは彼らの魅力でもあります。バックパッカーでインド旅行をするなら日本人から見ても「癒やし」と感じられるかもしれませんが、さすがにビジネスの場面では問題になりかねません。

さて、日本にいるインド人が遅刻した場合ですが、対処としては、当然のことながら就業規則などのルールと、なぜそのルールがあるか、それを破った場合に何がどうなるかを説明する必要があります。

そのほか、説明を理解した証拠としてサインをさせるなどの工夫もあっていいと思います。注意する場合は、本人そのものを否定せず、当たり前のことであっても、「根気」を持って「理論的」に説明してみせることが必要です。

日本的なサービス残業は見直しを

--なるほど、やはり根気が大切ですね。ほかにタイムマネジメントなどを指導するうえで、会社側が注意をすることはありますか。

IT業界など日本にいる外国人技術者は雇用と勤務の形態が多種多様です。日本企業が直接インド人労働者を雇用するとは限りません。

日本に進出したインド企業のインド人エンジニアが日系企業に常駐で勤務する場合などは管理が行き届かず、問題が起きても人事考課に反映させづらいと思います。インド人労働者の管理は個々の企業の事情に合わせて行うしかないでしょう。

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