インド人スタッフの時間感覚と勤怠管理--時間管理法の変更を迫られる日本企業
個人の責任には違いないのですが、インド人の国民性でもあり、習慣を変えることは簡単ではありません。一方、時間を守ることは、グローバルな経済競争環境では必須であることもまた間違いありません。文化の違いを認識しつつも、それが許容される場合と許容されない場合があること、なぜ時間を守る必要があるのかを、理論立てて丁寧に説明、指導する必要があります。
インド人の時間感覚については、輪廻転生など概念であれこれ難しく解説する人もいますが、相対的に「時間をあまり気にしない文化、習慣」が背景にあることは間違いないと思います。
たとえば、インドの鉄道などは日常的に遅れますが、そんなときもインド人はまったく気にしません。「待ち時間」が発生することで日本人は「損した」と考えますが、インド人にはそうは思わないようです。「まあ、しょうがない。この時間を楽しもう」と自然に切り替わります。
良し悪しは別にして、時刻表に沿って正確に動き回る日本の電車に乗り、ちょっと遅れただけでも目くじらを立て、ソワソワしてしまう私たち日本人とは大違いです。
アポイントよりも昼食が優先
--インド人の時間感覚を実感した経験はありますか?
日本ではなくインドでのことですが、インド人との時間管理、その感覚の違いを痛切に感じたことがありました。
私が同行するインド人2人とホテルで待ち合わせして、アポイント先に行こうとしたときのことです。アポイントの時間が午後2時で、私たちはまだ昼食を取っておらず、時計を見るとすでに1時を過ぎていました。「訪問先まで時間にしてどのくらいかかりそうですか。できるだけ正確に」と聞いたところ、「車の混み具合によりますが、1時間ぐらいかかると思います」と彼らは言いました。