インド人スタッフの時間感覚と勤怠管理--時間管理法の変更を迫られる日本企業

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「それは大変だ、すぐ出発しましょう」と私が言いかけた次の瞬間、耳を疑う一言が聞こえてきました、「さあ、昼食を取りましょう!」。こういうことを真顔で当然のことのように言うわけです。これがインド人の感覚です。

訪問先は企業のCEOで、アポを取るのにたいへん苦労しました。しかし、そんなことはお構いなしで、とにかくレストランで昼食を食べたいというのです。彼らは特にルーズな人間ではありません。仕事では優秀なインド人です。

こんな状況では、日本人的ビジネス感覚では「メシ抜き」も当たり前、あるいは「車中で食べる」と考えると思います。あまりの突拍子もない提案に驚いていると「道路もこれから空くでしょう。途中で食べるよりマシですよ。ノープロブレム!」と言われるがままレストランに入りました。

なんとかなるよと言われれば、なんとかなりそうな気もしてくるもので、結局は昼食を食べることにしました。

しっかりインド料理をほおばり30分くらいして出発。その時点で、アポ時間まであと残り20分しかありません。急に現実に戻ります。まずい、何をやっているのだろう、と同行のインド人が携帯電話で連絡を取り、遅れる旨を報告し、相手から了承を得ることができました。車中では携帯電話で道路の混み具合のせいにして何度かお詫びの連絡をしながら向いましたが、あいにく道路の混み具合は本当にひどくなってきました。

結局、約束から1時間30分以上遅れて到着。なんとなく私自身も時間感覚がマヒしてきます。「ああ、やってしまった」。インド人に遅刻されるのはよくあることですが、私自身が遅刻する側となりました。

訪問先では、日本からの来客である私に会ってはくれましたが、相手は多忙な経営幹部です。成功したとはいえない結果で、私はその訪問先を出ました。

私としては不本意な結果でしたが、こんな時でも、彼らインド人は遅刻自体に対して罪悪の意識はないようでした。

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