JALがコロナ禍に切り開く「工場見学」の新潮流 2日で1万人参加「リモート工場見学」の魅力

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「ホロレンズ」とは、マイクロソフトが2016年に発売したゴーグル型の次世代コンピューティングプラットフォーム。物理世界とデジタル世界を融合し、ユーザーは物理世界に存在しながら、物理・デジタル両方のオブジェクトとやり取りができる世界(MR=MIXED REALITY/複合現実)を体験できる……と言ったところで、何のことかなかなか伝わらないと思う。

映画『アイアンマン』の主人公トニー・スタークが、現実世界にデジタル情報を浮き出させ、空間上でひゅんひゅんとスワイプする。最新機である「ホロレンズ2」を装着すると、そんなようなことができてしまう、と説明すればおわかりいただけるだろうか。

ワードやエクセルといったデータ類、計算機やキーボード、その他さまざまなアプリケーションがレンズ上に浮かび上がり、タッチして動かすことが可能となる。SFの世界さながらだ。

「整備士の目線」を体験できる

JALのリモート工場見学では、最大5機を格納できる格納庫の中から大迫力の映像を届け、CAと整備士が案内。見学者から寄せられた質問に回答するなど、双方向性を実現しながら、機体の説明や整備の仕事を中継した。

その間、整備士目線の映像が映し出されるだけでなく、装着したホロレンズ上に表示される情報まで、リモート工場見学者は画面を通じて楽しむことができる。

写真の左下に浮かび上がっている女性CAの映像は、リアルタイムで整備士のホロレンズ上に映し出されている映像で、スイッチャーが二つの映像を、一つの画面に表示しているわけではない。

ホロレンズを着けた整備士の視線を追体験できる(写真:筆者撮影)
整備士の視線が上写真の映像となる。女性のキャプチャー画面や操作パネルは、実際に整備士がかけている「ホロレンズ2」の画面にも表示され、空間上で操作できる(写真:筆者撮影)
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