興味深いのは、江戸川区、葛飾区、大田区などは10万人当たり感染者数が少ないことだ。最少の江戸川区は53.8人で新宿区とは大きな差がある。同じ都区部でも感染リスクはこれだけ違うのだ。
では10万人当たりの感染者数を最少に抑えている江戸川区(人口約70万人)は、いったいどんな取り組みを行ってきたのか。医療支援、経済支援の主だった内容をまとめてみた。
ドライブスルー方式PCR検査も
②区立の宿泊施設を軽症者の療養施設として開放、民間ホテル借り上げ
③感染の疑いのある人すべての人にパルスオキシメーター(血中酸素濃度計)を貸与
④1000件以上の職員提案の中から、60項目のコロナ対策を実行
⑤特別定額給付金コールセンターを5月1日開設
⑥区独自の中小・零細事業者向け緊急融資
●ウイルス対策緊急融資(融資上限1000万円)斡旋額308億8365万円/件数:4081件
●固定費融資(融資上限300万円)斡旋額:6300万円/件数:21件(※いずれも7月22日時点)
⑦給付金(10万円)を区内で使おうキャンペーン
⑧医療従事者への支援、応援メッセージ、寄附など(寄附金2365万円)
さらに、第2波への備えとして小中学校の1学期給食費公費負担、1人1台のタブレット端末配備、医療機関の機器購入補助、医療専門職採用支援なども実施している。
感染拡大を最小限にとどめたという点では、「検査から療養まで、区が一貫して支援」のスタイルをいち早く構築したことがポイントだ。感染の疑いのある人にはまず、かかりつけ医や近くの診療所に電話やオンラインで相談してもらう。
医師の判断で検査が必要なケースは、ドライブスルー方式PCR検査センターで検査。採取した検体を東京都・民間検査機関・区独自の検査機関で検査、判定する。感染と診断された陽性者は、軽症者は区立ホテルや区が借り上げた区内のホテルで療養、中等症患者、重症患者は区内の8カ所の病院で入院治療というシステムだ。
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