15歳CEOが日本を変える?

起業始めたデジタル・スーパーキッズたち

年齢とともに、もしくはその日の気分で答えは変わる。

「花屋さん」「洋服屋さん」「女優」「映画監督」──。

父にとって、答えは何でもよかった。

「毎日尋ねられれば、私は何をしたいのかと、子どもなりに意識する。夢とか将来とまったく向き合わずに過ごすのと、少しでもイメージするのでは違う。社会教育の一環です」

父親から毎日問われた里佳さんは、こう振り返る。

「面倒くさくて適当に答えてたけど、夢について考える癖がついた。やりたいことがあまりに多いので会社を作っちゃった」

父が施した「6歳からのハローワーク」が、起業に至るベースになったようだ。

父は退職してサポート

10代起業家のなかで、早くも収益ベースに乗せているのがケミストリー・クエスト取締役社長の米山維斗(ゆいと)さん(14)だ。原子カードを結合させて分子を作って遊ぶ化学カードゲーム「ケミストリークエスト」を小学3年生で開発。累計7万2000部のヒット商品となった。6月には第2弾「ケミストリークエスト入門版 はじめての冒険」が発売される。

米山維斗さん(14=筑波大学附属駒場中学校3年)
自社商品を紹介するページを見せる米山さん(左)は5月11日、15歳の誕生日に代表取締役になる予定。右は父・康さん(撮影:今村拓馬)

6年生で社長になった米山さんは、1歳で会話が成立、2歳でひらがなやカナ、PC操作をマスター。図鑑を読みあさった、4歳で「サイコロは対面の数字の和が7」を図鑑で理解し自分で展開図を描き組み立てた、小学校低学年で化学記号を覚えたなど、天才伝説に事欠かない。両親は芽を摘まないよう、欲しがる図鑑や専門書を書店や図書館を一緒に回って与えたという。

さらに驚くべきは、IT系会社員だった父の康さん(50)が2年前に退職してまで息子の事業をサポートしていること。

「親バカかもしれないけれど、息子は凄いヤツ。賭けてみたい」

期待させたり、ハラハラさせたりと親を揺さぶる10代起業家だが、前出の榊原社長は一層の努力を促す。

「起業家は今後増えるとは思う。幼児期からスマホやiPadを触るようになり、働き方が多様化したため、起業へのハードルが低くなっているのも確か。ただ、海外で10代の成功例はあるが日本では皆無。高校を卒業して注目されなくなった時点で真価が問われる」

日本の10代デジタル起業家伝説は、始まったばかりのようだ。

(ライター:島沢優子)

AERA  2014年5月5-12日号

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