15歳CEOが日本を変える? 起業始めたデジタル・スーパーキッズたち
学生団体の時期にツイッター上の影響力が測定できる「Cil」などいくつものウェブサービスを開発してきたが、収益に落とし込めてはいない。起業を志す若者を支援するサムライインキュベート社長で、GNEXへ500万円を出資している榊原健太郎さん(39)は、
「三上君は賢くて物おじしないところがいい。30代のオッサンと話している錯覚に陥る(笑)。彼が引っ張っていってほしい」
と期待を寄せる。
一方、親のほうは、カラダ半分社会の荒波にもまれているようなわが子に、ハラハラさせられる。
「やりたい気持ちはわかるけれど、普通に青春を送ってほしいという葛藤がある。少なくとも大学生になっていれば……」
そう話す母・ひろ子さん(44)の胸中は複雑だ。母が0歳から始めた読み聞かせが、息子の思考力や教養の扉を開いた。せがまれて1日10冊読んだこともある。小学校時代はハリー・ポッター、マルクスの『資本論』、スミスの『国富論』と移行。6年生で学校の図書館の本はほぼすべて読破した。本の世界だけではいけない、経験が大事だと、キャンプにも連れ出した。
「社長でも、私にとっては子ども。手を離しても、目と心は離しません」と親心をのぞかせた。
講演やテレビ出演も
一方、AMF代表取締役の椎木里佳さん(16)は、「世界の10代を元気に」をモットーに、Tokyo Teens TVの番組制作や女子高生を対象にしたマーケティングを請け負う。また、メロディーの種類が豊富なスマホアプリ「JKめざまし」も制作。現役女子高生起業家として講演やテレビ出演もこなし、昨年は「新入社員くらいの年収」(椎木さん)を手にした。
父・隆太さん(47)は、「秘密結社 鷹の爪」などの映像コンテンツ制作を行うDLE代表取締役。父娘で社長業を営んでいるが、実績はもちろん父が大きくリード。3月下旬にはアニメ関連企業としては10年ぶりの東証マザーズ上場を果たした。
ソニーを脱サラしベンチャーの世界で成功した父は、早くから負けん気が強いリーダー向きな娘の性格を見抜いた。私大の付属小学校へ入れ毎朝車で送迎。車中で父が行ったのが、毎日娘の夢を尋ねること。
「大きくなったら何になりたいの?」