コロナが原因で終わった婚活カップルの「事情」 「不要不急の外出」についての考え方の違い

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朋美の仲人からメールが来たことを俊哉に告げると、彼は言った。

「付き合い出した当初、僕はうまくいっていると思っていましたが、朋美さんは、『コロナの状況下でランチをしたりデートをしたりしていたことにストレスを感じていた』という。その後、4カ月間はまったく会えなくて、そこで関係が終わってしまうのが嫌で、毎日LINEを入れて連絡をとざさないように頑張ったけれど、彼女から返信が来るのは翌日とか3日後とかだった。

そして、4カ月ぶりに会ってみたら、2人の距離が振り出しに戻っていた。今になって朋美さんから僕との結婚を真剣に考えていると言われても、このスピード感で付き合っていたら、いつ結婚にたどり着けるのかわからない気がするんです」

努力している相手に向き合うことができるか

俊哉の言うことはもっともだった。そして、こう続けた。

「そもそもコロナに対する考え方が、彼女とは根本的に違う。そこはやっぱり価値観が合わないのだと思いました。この交際を終わりにしても、次に結婚できる相手にいつ出会えるかわからない。でも、本棚で言うなら、すでにある本を取り出さないと新しい本が入るスペースは生まれない。交際は終了にしたいと思います」

交際終了を朋美の相談室に伝えると、仲人から、「もう一度会って話し合えませんか」という打診が来た。そのことを俊哉に伝えたが、彼の気持ちは変わらなかった。

どんなに努力をしても、人の気持ちは手に入らないことがある。また、相手が一生懸命に努力しているときにそこに向き合わなければ、大切なものを失ってしまう。

俊哉と朋美は、互いの気持ちを合わせるタイミングがズレてしまった。そのタイミングが合うのが、 “ご縁”なのかもしれない。この2人は、“ご縁がなかった”ということだろう。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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