中国自動車市場で高級車シェアが過去最高の訳

ベンツ、BMW、レクサスなどが前年比2桁の伸び

高級車メーカーは中国市場でエントリークラスの新型車の投入を増やしている(写真はメルセデス・ベンツの中国向けウェブサイトより)

ドイツの高級乗用車大手のメルセデス・ベンツは、7月23日、小型SUVの「GLA」などエントリークラスの新車型3車種を中国で発売すると発表した。価格は30万~38万元(約454~575万円)。親会社のダイムラーによれば、2020年1~6月期は世界の主要市場で唯一、中国の販売台数だけが前年同期を上回った。

中国では新型コロナウイルスの国内での流行が落ち着いた4月以降、自動車市場が顕著な回復を見せている。中国汽車工業協会のデータによれば、6月の新車販売台数は前年同月比11.6%増と2桁の伸びを記録した。

とはいえ、実際の状況はカテゴリーごとのばらつきが大きい。乗用車に関して言えば、販売回復を牽引しているのは高級車だ。自動車販売の業界団体のデータによれば、6月の高級車の販売台数は前年同月比で27%増加し、乗用車市場全体に占める比率が過去最高の14.8%に達した。

エントリークラスの新型車を続々投入

ある高級車ブランドの販売店の責任者によれば、4~6月期はメルセデス・ベンツ、BMW、レクサス、ポルシェなど「一線級」の高級ブランド車の販売が前年同期比で軒並み2桁の伸びを見せたという。高級車はブランド力や商品力の高さに加えて、中国のマイカー購買層の主力になりつつある1990年代生まれの世代はラグジュアリー・ブランドを好む傾向が強く、そうした要素が高級車の販売を押し上げていると、この責任者は分析する。

それだけではない。冒頭のメルセデス・ベンツのように、高級車メーカーがエントリークラスの新型車の投入を増やしていることも高級車の市場シェア拡大に貢献している。前出の販売店のデータによれば、高級車ブランドの販売台数に占めるエントリークラスの比率はすでに50%に達し、なかには65%のブランドもあるという。

本記事は「財新」の提供記事です

高級車メーカーによるエントリークラスの拡販は、中低価格帯のクルマを主力にするメーカーにとって強いプレッシャーになっている。なかでも(ブランド力が弱い)中国ブランド車に対する影響は最も深刻だ。中国汽車工業協会のデータによれば、6月の中国ブランド車の市場シェアは過去最低の33.5%に落ち込んだ。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は7月26日

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