突然「内定取り消された」学生が知るべき対応策 2021年卒の学生の間には不安が広がっている

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企業からの内定取り消しに泣き寝入りしないためにはどうすれば良いのでしょうか(写真:metamorworks /PIXTA)

新型コロナウイルスの影響の深刻化を受け、2021年入社予定の新卒者の内定を取り消す動きが広がることが懸念されています。

実際にアパレルブランドの「イッセイミヤケ」の運営会社が、来春就職予定の学生の内定を取り消したニュースなど、メディアでは、実際に内定の取り消しを行った企業名も日々報じられ始めています。内定取り消しに直面した学生はどのように対応すべきなのでしょうか。

「内定」の法的意味を考える

はじめに、「内定」の法的意味について確認をしておきたいと思います。内定とは、「解約権を留保した雇用契約」です。内定の段階で雇用契約自体は成立していて、入社日までに「一定の事由」が生じた場合に限り、企業は雇用契約の解除、すなわち内定取り消しを行うことができます。

「一定の事由」は、大きくは2つに分類されます。1つ目は、「単位不足などで大学を卒業できなかった場合」「学歴などを詐称していた場合」「犯罪を行った場合や犯罪歴を隠匿していた場合」など、本人に責任がある場合です。このような場合は内定取り消しとなるのはやむをえません。

ただし、経歴詐称が軽微であったり、なんらかの事情で入社が数日遅れる程度であるといった場合には、処分が過酷するということで、内定取り消しは違法となることがあります。

2つ目は、「大幅な業績の悪化に直面した場合」「事業の縮小をすることになった場合」など、内定を出した時点では想定ができなかったような事業環境の変化により、内定が取り消しになる場合です。

このような場合は、不可抗力という側面もありますが、企業の経営判断により内定を取り消すことになりますので、学生側に帰責性があるとき以上に内定取り消しの合法性は厳しく判断されます。

今回の新型コロナウイルスによる内定取り消しも、まさに、典型的な2つ目のパターンということができるでしょう。

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