突然「内定取り消された」学生が知るべき対応策 2021年卒の学生の間には不安が広がっている

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内定取り消しは、企業からの一方的な雇用契約の破棄ですから、「内定取消通知書」のような通知書が、企業から内定者に送られるのが一般的です。

ただし、内定取消通知書だけでなく、「同意書」という書類が同封されていることがあり、この同意書への対応は慎重に行わなければなりません。

同意書には、「私は内定取り消しについて同意をします」とか「内定取り消しに異議を申し立てません」というような文面が記載されていて、内定者の署名押印欄が設けられています。

同意書に署名押印をして返送すると、「本人も内定取り消しに納得して同意した」という、客観的な法的証拠となります。すなわち、「企業による一方的な内定取り消し」だったものが、「企業と本人の円満な合意による内定取り消し」に変化するということです。

そうなると、内定者側から、内定取り消し無効の訴訟を起こすことは非常に難しくなってしまいます。

企業側から示された金銭的補償等の内容に納得して内定取り消しを受け入れるならば、同意書に署名押印をすることは問題ありません。内定取り消しに納得ができない場合や、企業側から提案された内定取り消しに対する補償条件が充分で無い場合には、同意書には安易に署名押印しないよう気をつけてください。

企業側の補償条件の提案は交渉が可能

内定取り消しにおいて企業側から補償条件を提案され場合、必ずしも、企業側の提案した補償を踏まえ内定取り消しに同意をするか、内定取り消し無効を争うかの「2択」ではないことも覚えておいてください。

内定取り消しの補償は、あくまでの企業側の「提案」ですので、内定者側で、「50万円では同意しかねますが、100万円ならば内定取り消しに同意します」というような交渉をすることも可能です。

自分で交渉をすることが難しい場合は、弁護士などの専門家に交渉を依頼することも検討の余地があります。弁護士に依頼するのは、裁判になった時だけでなく、その前段階から依頼をすることで、話し合いにより、早期に円満に解決できる場合もあります。交渉を代行してもらうことで、心理的負担の軽減にもつながるでしょう。

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