東京の町医者から見た日本のコロナ対策の弱点

検査体制と二類感染症扱いはこのままでいいか

個人的に調べたところ、渡航時陰性証明用PCR検査の市中価格は3万~4万円のようだ。この料金では自費定期検査は厳しい。そうでなくても全国的に病院所の経営赤字が深刻な状況にある。

一方で、定期検査が必要なのは医療従事者に限らないとも思う。多数の関係者と濃厚接触する可能性がある介護事業者や、保育士、学校関係者などにも何らかの措置を考える必要はある。

同時に考えなければならないのは、新型コロナウイルスを「二類感染症扱い」のままとしておいていいのかという問題だ。

現在、PCR検査の陽性率が上昇してきているが、7月25日時点では1日のPCR検査数は2万件にも満たない。

PCR検査実施人数(出所)厚生労働省ホームページ

これは諸外国に比して圧倒的に少ない。

「寝込まない」感染者がいかに多いか

現状、医師が感染を疑った症例に対する検査はかなりスムーズに行えるようになってきているが、これ以上、検査を拡充する気配は到底感じられない。検査能力の欠如というスペックの問題だけではないだろう。患者が増えすぎることによる病院のパンクを懸念しているのではないか。

検査数を増やし、かつ陽性率も増えれば当然感染者は増える。ただし、ここでの感染者は有症状者のことではなく、あくまでPCR陽性者だ。

無症状が半数以上を占める本感染症において、クラスターで追いかける方式を取り続けるのであれば、陽性者が爆発するのは火を見るより明らかだ。二類感染症の取り扱いのままであれば、陽性者は即隔離入院が原則になる。

現在、感染症法の規定から外れ、軽症者のホテルも不足しつつある。一部自宅待機も可とせざるをえなくなっている。当たり前だ。

ここまで感染が急速に拡大しているのはウイルスが弱毒であることの証明でもある。

つまり「寝込まない」感染者がいかに多いか、ということである。

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