6月11日をもって「東京アラート」はめでたく解除され、12日午前0時からは事業者に対する休業要請も「第3段階」に緩和された。これでカラオケ店や遊園地、パチンコ店などが再開OKとなる。何かと話題となったライブハウスや「接待を伴う飲食」も、19日からは感染防止策を取ったうえで再開を認められるとのことだ。
「仏式ロックダウン」VS「鬼式ロックダウン」の差
また同じく19日からは、全国を対象に県をまたぐ移動の自粛も緩和される。やれやれ、これで少しは「まともな経済活動」が可能になってくる。
いろいろ我慢を重ねてきたけれども、筆者も久しぶりに家族で外食に出かけたし、そろそろ映画館にも行ってみたい。
そういえばこれもまた同日からはプロ野球の試合も始まるらしい。この際、無観客でもいいから、ナイター見物にビールに枝豆という「日本の夏」が戻ってくる日が今から待ち遠しい。
とはいえ、ここが日本という国のユニークなところで、「強制力を伴わないお願い自粛」(仏(ほとけ)式ロックダウン)をやっていた手前、経済活動の再開は皆さんおっかなびっくりというところがある。これが欧米のように「鬼式ロックダウン」をやっていたところは、人々は内心ではしぶしぶ「外出禁止」などの命令に従っていたわけで、政府が「もういいですよ」と言った瞬間に需要が戻ってくる。「ペントアップ・デマンド」(不況期の反動需要)というやつだ。パリのカフェなどは、すでにマスクをしていない老若男女であふれかえっている様子。
アメリカの場合は、公衆衛生に関しては連邦政府よりも州の権限が強い。そこで州ごとに大きく差があるのだが、ニューヨーク州など民主党知事の州は概ね慎重である。ところが共和党知事の州では、ドナルド・トランプ大統領の掛け声に呼応して、「見切り発車」的に経済活動再開に踏み切ったところがある。これで感染が再拡大すると、第2波の到来どころか「第1波の再燃」になりかねない。何しろアメリカの感染者数は約200万人、死者数は約11万人と被害は桁外れだ。人種差別問題への抗議活動が、全米に広がっていることも併せて気がかりである。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら