教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画 JKが解説「20代は年金を払うと大損するのか」

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花実は、姉の前に座って姿勢を正す。

「お姉ちゃん。国民年金の保険料を20歳から払うのは義務だって、学校で習わなかった?」

「……。そう言われれば習ったような気もする……」

花実はニヤリとした。これは、早速「ミッション3」=「マネーリテラシーを身に付けながら資産形成をしていく」を実行するに当たってのスタートではないか。ここは、自称「ねんきんJK」花実の出番だ。花実は、生活科学クラブで、社会保障制度について研究中なのだ。花実は嬉々としてレクチャーを始めた。

年金制度は「保険制度」と考えるべき

「歳を取ってからもらう老齢年金には興味のない人がたくさんいる。でもそういう人だって、『もしも自分がケガや病気で障害状態になったらどうしよう』って考えることはあると思う。

公的年金制度って、いつまで長生きするかわからないっていう『老齢のリスク』だけではなく、障害を負ったり、未成年のうちに親を失ったり、配偶者を失ったりして遺族になったりするリスクにも対応しているんだよ。だから、そうした万が一のときは『障害年金』や『遺族年金』がもらえる。私たち若い世代だって、『万が一』はありうるでしょう?

お姉ちゃんは、払い損だって言っているけど、そもそもの考え方が間違っているのよ。年金制度は『損得』じゃないの! 年金制度は『保険制度』。社会全体の支え合いの仕組みだよ。ここ、とっても大事」

花実はまだまだお姉ちゃんに伝えたいことがたくさんあるようだ。

「自分だけズルしようってったってそうはいかない。それに、保険料を支払っていない期間(未納期間)が長くなってしまうと、もしも障害を負ったときに保障を受けられなくなるんだよ。でもね、救済措置もあるわけ。20歳になっても、学生で、保険料を支払うのが大変っていうときは、『学生納付特例制度』を利用すればいい。ちゃんと手続きをとっておけば、未納期間にはならないから。

あれ? お姉ちゃん、花実のこと尊敬の眼差しで見てる? えへん。じゃあさぁ、お姉ちゃん。怖い話してあげよっか」

次ページ花実がお姉ちゃんにした「怖い話」とは?
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